「看板娘という名の愉悦」とは……かつて、都内では路面電車が縦横無尽に走っていた。しかし、現在は新宿区の早稲田と荒川区の三ノ輪橋を結ぶ東京さくらトラム(都電荒川線)1路線のみである。
その停留場のひとつが大塚駅前で、街を切り取る際には欠かせない風景だ。そんな大塚の北口に2018年5月、「東京大塚のれん街」がオープンした。
路面電車の線路脇に全11店舗が軒を連ねる。今回訪れたのは「酒肴 北斎」。江戸料理、馬肉料理が売りの居酒屋だ。
エントランスからして早くも江戸情緒満載。内装はこれでもかというほど凝っていた。
エントランスには「富嶽三十六景」さながらの大波。もともとはインバウンドも狙って作った店だという。そのため、世界中の誰もが知っている浮世絵師の名を採用した。
店内には看板娘の姿。ここは、江戸っぽいお酒を飲みたい。オススメを聞くと「特濃抹茶ハイ」(490円)とのこと。どこが江戸っぽいのか。その答えはすぐにわかった。
注文を受けたスタッフがその場で点ててくれるのだ。電動の茶せんは初めて見たが、1万円ぐらいで売っているという。
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