連載「愛する靴の愛し方」
お気に入りを履き潰しては買い替えて……なんてもったいない! 愛する一足を守る術をフットウェア・ラバーたちに教えてもらった。
>第1回「ローテクスニーカーのケア」を読む
スニーカー愛好家がもっとも恐れているのが、ソールがボロボロになったり剥がれたりしてしまう「加水分解」。
スニーカーによって加水分解が起こりやすいものと起こりにくいものがあるが、読者諸兄が実感している通り、なかでもハイテクスニーカーはとくに注意が必要だ。
なぜハイテクスニーカーは加水分解が起こりやすいのか。
その原因と正しい保管方法について、スニーカーに特化したクリーニング専門店「スニーカーアトランダム」の店長であり、350足以上を保有するスニーカーコレクターでもある城所 匠さんに話を聞いた。
加水分解の原因は、過度な水分
そもそも加水分解とは、化学物質と水が反応して分解を起こす現象のこと。スニーカーのソールには、水分に弱い性質を持つポリウレタンやEVA(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)が使われており、それらの化合物質が、空気中の水分を吸収しすぎると、加水分解を起こし、ソールがボロボロになってしまう。
「機能性を求めたハイテクスニーカーは、軽量でクッション性が高いEVAが使われている場合が多いです。EVAはソールが水分を吸収しやすいので、ハイテクスニーカーは加水分解が起こる可能性が高いと言えます」(城所さん、以下同)。
続けて、長期保管についても注意が必要と語る。
「通常スニーカーのソールは、履いたときにソールに含まれた水分を外に押し出すことができるのですが、長年履かずに保存しているスニーカーは、ひたすら水分を吸収し続けている状態。そのため、久しぶりに履いた瞬間、化学反応を起こしてボロっと壊れてしまうんです」。
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