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2019.04.21

ファッション

ファッション絶滅危惧種「HEAD PORTER」。今季限りのコレクションで手にすべきバッグは?

いくら名作と言われていても、廃盤となってしまうアイテムはある。今、市場にある分だけでおしまい。そんなファッション絶滅危惧種のなかから、これだけは!というアイテムをピックアップ。名作のLAST GIGS。チェックしないと損するぜ。
日本が世界に誇るバッグブランド「吉田カバン」には、名作はもちろん派生ブランドも数知れず。なかでもオーシャンズ世代にとって特別なのは、1998年に生まれた「ヘッド・ポーター」である。
直営店のヘッド・ポーターのバッグには証明書代わりのカードが封入されている。
直営店で購入すると付いてくるワランティカード。このカルチャーは‘98年のブランドスタート時から変わらない。※現行のデザインとは異なります。
当時は藤原ヒロシ氏が手掛けるブランドとして瞬く間に知れ渡り、原宿のショップには連日長蛇の列が……そんな我らの“青春ブランド”が、21年目となる今春のコレクションを最後に消滅する。
ヘッド・ポーターは、単なる流行で人気に火が点いたわけではない。ありそうでなかったサイズ感や色使い、気の利いた機能が斬新で、リアルに魅力的だったのだ。
特に、世界中にその存在を知らしめた「タンカー ネイビー」と「ブラックビューティー」シリーズは、昭和→平成→令和と時代が変わった今でも十分通用する。
ホントにこれがもう買えなくなるなんて……残念で仕方ない。
 

「タンカー ネイビー」の本当のオリジナル3点

ブランドがスタートした1998年から続いているアイコン的なシリーズが「タンカー ネイビー」。米軍のフライトジャケットとしてお馴染みのMA-1をモチーフにして、ボディには、フライトサテンと呼ばれる中綿を入れた3重構造の生地を採用している。
「タンカー オリジナル」の本当のオリジナル3点/ヘッド・ポーター
そのネイビー版が「ヘッド・ポーター」の象徴で、それ自体も格好良かったのだが、微妙に小ぶりなサイズ感だったり、マチが広かったり、キーリングが内蔵されていたりと面白いアイデアが満載で、とにかく使いやすかったのも魅力だった。なかでもこの3点は当時から形を変えずに残っているモデル。ちっとも古くさく見えないのがスゴい。
 
【1】トートバッグ
トートバッグ/ヘッド・ポーター
H32×W42×D12.5cm 1万8000円/ヘッド・ポーター(ヘッド・ポーター 東京 03-5771-2621)
小ぶりなMサイズは、タブレットやPCを持ち運ぶのに理想的。便利な外付けポケットが3つ並んだデザインは「ヘッド・ポーター」のオリジナルだった。発売当時はもちろんスマホはなかったけれど、今はココにすっぽり入れられる。柔らかくて軽くて、クラッチ風に抱えてもサマになるから守備範囲も広い。ありそうでないトートの傑作だ。
 
【2】ニューウエストバッグ
ニューウェストバッグ/ヘッド・ポーター
H17.5×W29×D13cm 1万6500円/ヘッド・ポーター(ヘッド・ポーター 東京 03-5771-2621)
リバイバル感があるウエストバッグ。’90年代の終わりに一斉風靡したのは、しっかりマチ幅を持たせたこの形だ。当時は一般的なウエストバッグより少しだけ容量が大きいのが革新的だったし、ジップポケットを開けるとキーリングが付いていたりと、意表をつく“仕掛け”に感動したものだ。もちろん20年経ってもその便利さは変わらないばかりか、むしろ小型のデジタルツールが増えた今はますます使いやすい。
 
【3】2-WAYバッグ
2ウェイバッグ/ヘッド・ポーター
H26.5×W35×D13cm 1万7000円/ヘッド・ポーター(ヘッド・ポーター 東京 03-5771-2621)
世の中に2-WAYバッグは星の数ほどあるけれど、無駄を省いたスマートなデザインは「ヘッド・ポーター」のこのモデルがピカイチ。タンカー オリジナルの中では後発でありながら認知度も人気も高かった。デイパックとして背負ってもトップの持ち手は目立たないし、逆にトートして持つ場合は、ストラップが綺麗に収納できる。四角いフォルムはオフィスでも通用するから、まさにON・OFF問わない2-WAYバッグの草分けだった。
 

忘れちゃいけない「ブラック ビューティ」の普遍モデル

2000年、ニューヨークのソーホー地区にあったステューシー直営店の上に「ヘッド・ポーター」のニューヨーク店がオープンした。当時は、ニューヨーカーはもちろん、日本からもショップオリジナルモデルを求めて多くのファンが押し寄せたけれど、そのお目当てのひとつが、「ブラック ビューティ」と呼ばれるオールブラックのシリーズだった。
忘れちゃいけない「ブラック ビューティ」の普遍のモデル/ヘッド・ポーター
程なくして日本でも逆輸入的に販売されるようになり話題に。その名のごとくタグもボディもすべてマットブラックというのが特徴で、「ヘッド・ポーター」の中でも最も都会的なデザインと言える。
お馴染みのタグもステッチも黒。ほかにはない特別感を持つ、語り継がれるべき名シリーズ。
 
【1】ラップトップ デイパック
ラップトップ デイパック/ヘッド・ポーター
H49×W29×D14cm 4万5500円/ヘッド・ポーター(ヘッド・ポーター 東京 03-5771-2621)
1泊程度の旅行からトレッキング、自転車移動などに最適なデイパック。マットなナイロンボディは、メイン荷室を大きく設定し、前面にポケットを2つ配置した「ヘッド・ポーター」らしいデザイン。ボディに使用した高密度ナイロンは磨耗にも強く、長く付き合えるのもこのシリーズの魅力だ。モデル名通りラップトップ専用のスペースも装備。今では当たり前となったPCの持ち歩きをいち早くスマートに実現したモデルである。
 
【2】ヒップバッグ
ヒップバッグ/ヘッド・ポーター
H11×W37.5cm 1万5000円/ヘッド・ポーター(ヘッド・ポーター 東京 03-5771-2621)
大小の外付けポケットと、小物やガジェットの出し入れに便利なメッシュポケットが配置された画期的なデザイン。ここ数年のトレンドであるサコッシュ的な使いやすさとお手軽さに加えて、ミリタリーとアウトドアを融合したような見た目のインパクトがある。2000年の時点で今のブームを予見していたようなデザインは、流石のひと言。
 
【3】ラックサック
ラックサック/ヘッド・ポーター
H43×W29×D17cm 3万6500円/ヘッド・ポーター(ヘッド・ポーター 東京 03-5771-2621)
いまでこそ、街とアウトドア兼用のウェアやバッグは当たり前にあるけれど、2000年代初頭にはまだ少なかった。このラックサックは、まさにその先駆け。止水ジップやボトルサイズのスロットポケット、マチ付きの大きなジップポケットなど、さまざまなな機能が備わっている。しかもボディもパーツもすべてがマットブラックだから、街着にも馴染むのだ。
 
思えば「ヘッド・ポーター」は、ワランティカードからショッパーに至るまで、すべてに魅力と価値のあるブランドだった。
それってすごく’90年代の東京ブランドを象徴しているし、やっぱり青春の香りがするんだよなぁ……と、当時を知る者としてはしみじみ感じてしまう。
「ヘッド・ポーター」よ、永遠に!
 
[問い合わせ]
ヘッド・ポーター 東京
03-5771-2621
長谷川茂雄=文


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