おしゃれにニットを着こなすにはどのような点に気をつけるべきか悩むメンズは多いのではないか。40代となると上質なニットを身にまとって大人おしゃれを楽しみ、若い世代に差をつけたいと思うはずだ。
この記事では
- ニットのネックラインの種類や素材
- おすすめブランドについて
を解説していく。
この記事を読むと高品質のニットをシンプルに着こなせるようになるはずだ。
大人おしゃれニットの選び方
ここからは
- ニットの首の形を選び方
- おすすめの定番カラーコーデ
- 素材について
を解説していく。
高いニットを買っても自分に合う形でないとアンバランスなコーデになってしまうし、高品質なニットを手に入れても、洗濯方法などの取扱いを間違えると毛玉だらけのニットを着ることになりかねない。
この記事を読んで首の形とニットの素材について知ればその失敗も防げる。加えてシンプルな着こなしコーデも紹介していくので、40代メンズの大人おしゃれが実現するニット選びの参考にしてほしい。
首の形から選ぶ
まずはニットのネックラインについて解説していく。自分に合うネックライン選びは、40代の大人おしゃれの重要なポイントだ。詳しく解説していくので、自分に合う形を見つけるヒントにしてほしい。
Vネック
文字通り首元がVに開いており、シャープな印象を与えられるVネックは普段のコーデに取り入れやすい定番のネックラインだ。浅いVネックはシンプルに1枚でスタイリッシュに。深めのVネックにはあえてクルーネックのTシャツを合わせるコーデもぜひ試してほしい。
クルーネック
船員や乗組員を意味するcrewの単語を用いたクルーネックは文字通り船員が着ていたセーターが丸首だったことが由来である。首周りが丸型で詰まっているので暖かみがあり優しい印象になるため、40代メンズの大人の余裕を出すにはぴったりのデザインだ。
タートルネック
亀の甲羅から長くでた首のような形からその名が付いたタートルネック。全体が締まり、知的な印象になる。似たデザインでハイネック、モックネックもあるので、自分の首周りにあった形をチョイスするとコーデ全体にまとまりが出る。
ベーシックカラーだとコーデしやすい
アウターとの相性も重要な冬のニットにぜひチョイスしてほしい色は、ベーシックカラーだ。はやりに左右されない定番色は大人のニットコーデの格上げに役立つ。中でもおすすめはネイビーだ。集中力向上やリラックス効果もあるネイビーは40代メンズにもっともふさわしい色といえるだろう。
トップスがネイビーならボトムスもベーシックカラーでまとめるコーデがおすすめだ。グレー×ネイビーは相性もよく上品さが引き立つ。シンプルな分、時計などの小物をうまく合わせて上質な40代メンズコーデを完成させよう。
素材から選ぶ
ここからはニットの素材によく使用される
- コットン
- ウール
- カシミヤ
の3つの素材を解説していく。
ニット1枚でスウェットのようなカジュアルさも高級感も出せる。使い分けてニットを使った40代の大人おしゃれを楽しんでいこう。それぞれの取扱いについても説明していくので参考にしてほしい。
コットン
コットンのメリットはなんといっても取り扱いのしやすさだ。洗濯機の手洗いモードで洗うことができるのは忙しい40代メンズにとっては助かるだろう。
お手入れのしやすさだけでなく着心地の良さもコットンの魅力だ。植物性繊維のコットンはチクチクしにくくストレスフリーで着られるのに加え、アウターと合わせてもゴワゴワしない。コットンは大人おしゃれを楽しみたい40代の強い味方である。
ウール
ウールはとにかく暖かい。保湿性と機密性に優れた羊の毛は風を通しにくいので肌寒い冬の強い味方である。弾力があり肉厚な見た目のウールを40代メンズが着ると朗らかな印象を作れるのでおすすめだ。
ただ大半のウールは家庭洗濯ができないので、取り扱いには注意が必要だ。長く着るための大前提は『連続着用を避ける』だ。皮脂や汗は虫食いの原因にもなりウールニットの寿命を縮めるため素肌に直接着用は避けよう。このように少し気をつければ、長くウールニットを楽しめるはずだ。
カシミア
高級、高品質といえばモヘヤやカシミヤを思い浮かべる方も多いのではないか。特に厳しい気候を耐え抜いたカシミヤの毛は細く柔らかい。高いというイメージもつきものだが、セーター1枚で2〜3頭の毛を必要とするためその高級さも納得だ。
繊維の宝石と呼ばれるカシミヤでつくられたセーターは着心地の良さだけでない。糸がひとつひとつ細く光沢感があるので見た目も上品さが際立つ。カシミヤは40代メンズであればひとつは持っておきたいアイテムだろう。
おすすめメンズニットのブランド
身につけたいニットのイメージは徐々についてきただろうか。最後にどこでニットを買うか迷っている40代メンズへおすすめのニットブランドを一挙に紹介していく。
ブランドを知るとニット選びに役立つのはもちろん大人おしゃれを楽しむ時の選択肢も広がるので、ぜひこの記事でお気に入りのブランドを見つけてほしい。
ルトロワ(Letroyes)
ルトロワは、2009年にフランスのシャンパニーユ地方でスタートしたブランドである。メイドインフランスといえばその高級なイメージから『高い』と思う方も多いかもしれないが、ルトロワのニットが愛される理由は高品質かつ手に取りやすいコストパフォーマンスである。フランス伝統の丸胴編み機でシームレスに仕上げた美しいシルエットは一度袖を通したらやみつきになる。その高品質は試す価値があるだろう。
ソリア(SOGLIA)
ソリアは、日本のアパレル会社エースナインが設立2年目の2012年にスタートしたブランドだ。ヨーロッパで厳選された高品質の糸を用いて国内ニッターの技術を集結させ、上質なニットを提供している。
品質のよさ、デザイン性の高さだけでなく、多くの人に手にとってもらえるように価格設定を抑える企業努力にも注目したい。ソリアは日本が誇るニットブランドである。
クルチアーニ(Cruciani)
クルチアーニは、1966年にイタリアのペルージャで創業したマリタル社が1993年にコレクションを発表したニットブランドだ。クルチアーニといえばフィット感のあるシルエットと豊富なカラーバリエーションだ。
紡績から縫製まで自社で完結するためコストパフォーマンスが非常に高いためニットの最高峰と称されるブランドである。
スローン(SLOANE)
スローンは1994年に創業したニット専業の会社『ヴェンティ・ウーノ』2代目社長・大貫 雄が立ち上げたメイドインジャパンのブランドだ。日本人の体形に合う、着ていて心地良い物を作りたい気持ちがブランドスタートのきっかけである。
細かいニュアンスを作り手に確実に伝えることができるように日本でのものづくりにこだわっている。スローンは定番デザインでユニセックスで着用できる大人おしゃれに取り入れやすいブランドである。
クレプスキュール(crepuscule)
クレプスキュールは40代メンズに欠かせないニットを次々と作り出しているジャパンブランドだ。2012年に男女のニットデザイナーが立ち上げて以来、上質な素材にこだわり手編みと機械編みを使い分けて生み出すニットはゆるやかでやさしい雰囲気のデザインで、シンプルかつ大人の余裕が出るのでおすすめだ。
コーヘン(COOHEM)
2010年に山形で生まれたコーヘンは、ニットメーカー米富繊維株式会社が立ち上げたニットブランドである。ブランド名の由来は2種類の糸を組み合わせることでさまざまな風合いや質感を生み出すという意味の言葉「交編(こうへん)」に由来する。老舗の技術と経験が生み出す鮮やかでファンシーなデザインが特徴だ。
ウィリアムロッキー(WILLIAM LOCKIE)
ウィリアムロッキーは1974年にスコットランドで創業して以来、現在まで良質なニットウエアを生み続けている。成型編みの聖地として知られるHawick(ホーイック)での生産にこだわったニットは、最高の素材と熟練の腕によって英国のみならず世界中から愛されている。
アンデルセンアンデルセン(ANDERSEN-ANDERSEN)
デンマークのニット文化継承のためにアンデルセン夫妻が2009年に始めたブランドがアンデルセンアンデルセンだ。こだわりの原料と製法で高品質のニットを生み出している。
ニットデザインは海洋国家のデンマークらしく、後に海軍制服にも採用された忙しい漁師のために前後どちらでも着用できるフィッシャーマンズニットを現代風にアレンジしている。歴史を感じられるものづくりは完売続出の人気ブランドだ。
ジャミーソンズ(JAMIESON’S)
英国発のジャミーソンズは1893年に誕生した老舗ファクトリーブランド。厳しい冬の寒さを生きるシェットランドシープから取れる弾力性、耐久性のある英国羊毛は柔らかく、光沢感がある点が特徴だ。シェットランドシープは体が小さく1体から取れる羊毛も少ないので希少性も高い。
伝統草木染めと個体そのものが持つ色を生かした無染色で織り成す伝統的なフェアアイルニットが特に有名で、スコットランド王室やイギリス王室も愛用している。
ザノーネ(ZANONE)
ザノーネは1987年にアルベルト・ザノーネがイタリアで創業したニットウェアカンパニーだ。高品質のメリノウール、カシミヤ、コットンなどの糸を最先端技術で加工して生み出されるデザインは唯一無二の存在感を放つ。
その名を世界に知らしめるため、2003 年よりイタリアの職人たちが一同に会すSLOWEARのニット部門に所属している。ニットカーディガン『CHIOTO/キョート』はロングセラーの名品で着回しもしやすいアイテムなのでチェックしてほしい一品だ。
サイドスロープ(SIDESLOPE)
サイドスロープはニットデザイナーとして数々のブランドに携わった脇坂大樹(ワキサカ ヒロキ)が、2005年に立ち上げた日本のブランドだ。ニットを単に着るアイテムとしてではなくライフスタイルを引き上げるツールとして考え、常に新しいチャレンジを続けている。
素材は完成品をイメージして世界中から厳選したもののみを使用し、タッチと色や紡績方法にこだわりぬいている。華美に飾り立てない“心地よさ”と“本質”を追求するサイドスロープのニットこそ40代メンズが身につけるべきアイテムだろう。
ラッピンノット(WRAPINKNOT)
ラッピンノットは、水源豊かな新潟県五泉市から1961年に誕生した梅田ニットのオリジナルブランドである。老舗ながらファッショントレンド感度も高く、それに対応可能なコンピューター制御の横編機、丸編機や特殊成形編機といった設備をそろえている。
セレクトショップSTUDIOUS(ステュディオス)が別注した『奇跡のニット』はラッピンノットの代表作だ。生地を厚くしすぎない快適な着心地を実現し、美しいシルエットを保持できる素材は毛玉・シワもできにくいのでおすすめの一品である。
ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)
ラルフローレンはアメリカニューヨーク出身のラルフ・ローレンが1968年にスタートしたブランドだ。アメリカントラディショナルの代名詞として揺るぎない地位を確立しており、世界でもっとも有名なブランドの1つである。
プラッドコットンセーターは、ラルフローレンのアーカイブデザインから取り入れたヴィンテージチェックが特徴的な1枚。定番からデザイン性の高いニットまで揃うラルフローレンは40代メンズとしてチェックする価値があるブランドだろう。
インバーアラン(INVERALLAN)
インバーアランは1975年にスコットランドで創業したニットウエアブランドである。インバーアランニットの最大の特徴は熟練ニッターによって1点1点ハンドメイドで仕上げられていることだ。
ルーツはアラン諸島の漁師が愛したアランニットで、ほかにはないずっしりとした重厚感がある。現在は職人の減少により納期まで最低でも半年はかかると言われているが、それでも世界中のファンから愛されるニットブランドだ。
ザ ナーディーズ(THE NERDYS)
ザ・ナディーズは、デザイナーNERKLEが2003年にスタートさせた日本発のブランドだ。コンセプトは『音楽にどっぷりとハマったファッション性がない彼ら(NERD(ナード)=ださい)』である。
異色コンセプトだけでファンが多いのではない。『既製品の最高峰』と呼ばれるほどモノづくりを追求するザ・ナディーズの代表作はニットスウェット。綿コーマ糸を使用したプレーティング編みニットが紡ぐ美しいシルエットと、同色のエルボーパッチで取り入れたナードさの融合がたまらない。定番のおしゃれから一歩飛び出したい40代メンズにチャレンジしてみてほしいブランドである。
ドルモア(DRUMOHR)
ドルモアはジェームス・パターソンスが1773年にスコットランドで創業し、英国王室にも愛用された世界最古のニットブランドである。2001年にCiocca(チオッカ)グループ傘下となったあとは、イタリアのエッセンスも加わり、高級ブランドの地位を確立した。
定番のアランセーターは、通常のウールよりも繊維が細くふんわりと柔らかいラムズウールを使用している。世界で初めてシームレスニットを開発したドルモアしか生み出せないシルエットとフィット感が魅力である。
グランサッソ(GRAN SASSO)
グランサッソは1952年にイタリアの小さな村で4人兄弟が創業したファミリーファクトリーである。スローガンは『品質が商品を語る』で、ブランドロゴや華美な装飾に頼らない高品質なニットを作り続けてきた。
幅広い年齢層に愛されるデザインを次々と生み出し、シーズンごとに新しいエッセンスを取り入れ年々ファンを増やしているところがグランサッソの魅力である。
バフィー(BAFY)
バフィーは1981年にBaby Di Baffetti Francescoによってイタリアで創業した工場から2003年にスタートしたブランドである。創業以来最新技術を用いて素材にもこだわりぬいているバフィーは高級ブランドからも愛され、ルイ・ヴィトンのファクトリーブランドとしても知られている。
定番のニットパーカーは、ラムズウールの中でも最高峰といわれるジーロンラムを使用している。上質さと伝統の技術が光る1枚は、40代メンズの大人おしゃれに取り入れてほしいアイテムだ。
シップス(SHIPS)
幅広い年代に愛されるセレクトショップとして確固たる地位を築くシップスは、40代メンズの愛用者も多いだろう。セレクトの審美眼だけでなく、オリジナルウエアのクオリティにも定評があることは知っているだろうか。
スーパー180’Sラムウールクルーネックニットはデザイナーもイチオシである。繊維の細さがカシミヤと変わらない等級の糸を使用し、完成品をワンウォッシュしている小ワザもおしゃれ心をくすぐられるのだ。
ジョンスメドレー(JOHN SMEDLEY)
ジョンスメドレーは、1784年の英国の中心部にジョンスメドレーと、ピーターナイチンゲールによって創業された。以来230年以上ハンドメイドにこだわりクラフトマンシップを貫いている。
世界でもっとも高品質なニットウエアを作るジョンスメドレーは大人ニットの代名詞だ。なかでも30ゲージのファインゲージニットは、高級で上質な素材を繊細に編み上げた定番ながらも上品でシーズン問わず着回しが効く名品だ。
ラコステ(LACOSTE)
ラコステは1933年にフランスでプロテニス選手だったルネ・ラコステにより設立されたアパレルブランドである。もともとはポロ選手が着用していた襟付きニットシャツをテニス業界にはじめて持ち込んだ選手であることも知られている。
エッセンシャルニットはボディに羊毛原料がすべての製造工程において正しく間違いなく管理されている『レスポンシブルウール』を使用している。伝統的なデザインにエシカルマインドを封じ込めているのだ。
ハーレーオブスコットランド(Harley of Scotland)
ハーレーオブスコットランドは、1929年にスコットランドでピーター・ハーレーが創業した老舗ニットメーカーだ。かつて船乗りとして航海途中に、シェットランド・フェアアイルなどで見た伝統的で美しい模様のニットがブランド創設のヒントとなった。
英国の伝統的なニット製法で作られるフェアアイルセーターの模様の美しさと、発色の良さは40代メンズの大人おしゃれにぴったりの1枚だ。
バトナー(BATONER)
バトナーは1951年に山形県のニット製造会社『奥山メリヤス』3代目社長である奥山幸平が立ち上げたファクトリーブランドである。
創業から70年の奥山メリヤスが培ってきたノウハウと技術がふんだんに生かされたバトナーは高品質の素材を使用し肌触りや発色は上質な仕上がりで日本のみならず海外にもファンを増やしている。
ヴァンソンエミレイユ(Vincent et Mireille)
ヴァンソン エ ミレイユは、1950年代初頭にフランスで創業された老舗ワークウェアブランドだ。はじまりは農業関係者や市場の労働者へのワークウェアの販売だったが、現在まで自社生産から販売まで行う衣料品メーカーへと発展した。
ヴァンソン エ ミレイユのファッションアイテムは、ワークテイストながら上品に使えるものが揃っている。
おしゃれなニットを選ぼう
ここまでニットについてさまざまな角度から解説してきたが参考になっただろうか。なかには200年以上の伝統と技術があるニットブランドも数多く紹介した。
40代メンズとしてはニットブランドひとつも知らずにただ着るだけよりも、それぞれのブランドのニットが持つ歴史や施された技術を理解して着用するとよりコーデに深みが出るはずだ。
ニットは肉厚なものやボリュームを抑えたものまでさまざまなデザインがあり、コーデのバイプレーヤーにも圧倒的主役にもなれる万能アイテムである。この記事で紹介したニットの素材やブランドについて知り、40代メンズの大人おしゃれを楽しんでいこう。