伝統的なファッションの一つである、オーバーオール。
しかしながら、メンズオーバーオールがダサいとの認識があり、ファッションアイテムとして敬遠されていたり、そもそもオーバーオールのことについて、詳しく知らないという人も多いだろう。
そこでこの記事では、オーバーオールについて興味を持った人向けに、メンズオーバーオールはダサいのか、またオーバーオールを選択する際のおすすめコーデやブランドまでを徹底解説していく。
オーバーオールって何?
オーバーオールとは、肩紐付きのつなぎのことである。
主な特徴としては、上半身部分に胸当てがあり、肩紐で吊って着用するところにある。
オーバーオールは、今から200年近く前に、アメリカ合衆国が開拓された時代、いわゆるゴールドラッシュの時代に、採掘作業をする男性労働者用に普及していたパンツが発祥となっている。
その後、女性や子供向けにも流通し、現在のように日常的に私服で利用されるまでに普及している。また、オーバーオールは現在のジーンズの起源ともなっている。
サロペットとの違いは何?
オーバーオールとサロペットの違いは、背中の紐の構成や生地の素材にある。
サロペットの場合、紐が背中で交差している。また、生地はオーバーオールに比べて薄くできている。
このような違いや特徴があることから、オーバーオールはゆったり着こなしたい場合におすすめで、サロペットはタイトに着こなしたい時におすすめと言える。
メンズのオーバーオールがダサいと言われる理由7つ
メンズのオーバーオールはダサいのか?メンズのオーバーオールがダサいと言われる理由を、7つ紹介する。
7つの理由はこちら。
- 似合っていない人が多いイメージ
- 作業着のイメージが強い
- スタイルが悪く見える
- 古臭いイメージ
- 子供っぽいイメージ
- キャラクターのイメージが強い
- 流行りの着方とずれている
これらが、主にメンズのオーバーオールがダサいと言われる理由である。
では、理由それぞれを詳しく見ていこう。
似合っていない人が多いイメージ
オーバーオールの特徴を考慮すると、コーデが難しいことから、似合っていないと思われがちということだろう。
作業着のイメージが強い
元々オーバーオールが労働者の作業着として着用されていたことや、農業や製造業などでオーバーオールと似たつなぎが着用されているからか、作業着というイメージも定着している。
スタイルが悪く見える着こなしをしている
オーバーオールがゆったり着こなす印象が強いせいか、着る人のスタイルが悪くみえてしまう着こなしには注意しよう。
古臭いイメージ
昔から浸透しているファッションであるオーバーオールだからこそ、昔の人が着るもの、というイメージがあるのだろう。
子供っぽいイメージ
子供服にオーバーオールが流通しており、オーバーオールには着ると子供っぽいというイメージもつきまとう。
キャラクターのイメージが強い
大人気のゲームや映画のキャラクターが着用しているため、オーバーオールを着るとキャラクターを連想されるようだ。
流行りの着方とずれている
歴史のあるオーバーオールらしい理由と言えるだろう。流行のファッションとは違った着こなしになってしまう場合がある。
メンズがオーバーオールを着る魅力は?
では、メンズがオーバーオールを着る魅力はあるのだろうか?
答えは、十分にある。と言える。
理由は、以下の通りである。
- 無骨で男らしい雰囲気を演出
- こなれた感を演出できる
- ポップな一面がかわいいを演出する
- コーディネートのバリエーションが多く飽きない
これらを詳しく解説していく。
無骨で男らしい雰囲気を演出
オーバーオールに黒のインナー、黒の革靴をチョイス。
ワイルドに着こなしたい場合は、おすすめだ。
こなれた感を演出できる
上の画像を見る限り、良い意味でオーバーオールを着ている印象がないだろう。
このように、おしゃれに着こなしたい場合は、着こなし方によってデニムを着ているのかのように演出できる。
ポップな一面がかわいいを演出する
インナーが白、オーバーオールがベージュ、というように組み合わせも含めて色を工夫することで、ポップでかわいいを演出できる。
少年時代っぽさを出したいなら、おすすめだ。
コーディネートのバリエーションが多く飽きない
実は、オーバーオールは利用できるコーディネートのバリエーションが多い。
ハットやトレーナー、着こなし方でも肩紐を外して印象を変化させるなど、着る人も見る人も飽きさせない。
さらに、以下により具体的なファッション、アイテムの着こなし例をご紹介する。
アウトドア
オーバーオールは、アウトドア用など、実は様々な用途で着こなせる。
汚れに強いものも多くキャンプやBBQなどにはおすすめだ。
アメカジ
定番の着こなし方を求めるなら、アメカジ風のオーバーオールがおすすめだ。
ストリート
オーバーオールは、ストリート系のコーディネートを意識する時にも、ぴったりはまるので、おすすめだ。
ワークファッション
これぞ、オーバーオールの王道コーデだろう。
作業用として流通したルーツを持つオーバーオールならではの、作業用(ワーク)+ファッションのどちらも叶える着こなし方で、オーバーオールの魅力を全面に押し出しながら着こなしたい時におすすめだ。
ボタンシャツ+オーバーオール
オーバーオールにボタンシャツを組み合わせることで、爽やかでカジュアルな印象を与える。
カジュアルな着こなしを考えるなら、おすすめのコーデだ。
Tシャツ+オーバーオール
オーバーオールとTシャツの組み合わせは、やんちゃで少年っぽい印象を与える。
若々しさを求める場合は、お勧めのコーデだ。
パーカー+オーバーオール
オーバーオールとパーカーの相性は、ゆったりとした着心地という点でぴったりだ。
冬にオーバーオールを着たいと思ったら、合わせやすくおすすめだ。
トレーナー+オーバーオール
パーカーと同様に、オーバーオールを冬に着こなしたい場合は、トレーナーも合わせやすく、おすすめである。
オーバーオールが似合うメンズの体型やタイプは?
オーバーオールがダサいというイメージが定着しているせいか、メンズでオーバーオールをおしゃれに着こなせるのは、高身長の人でないと似合わないと思っていないだろうか?
実は、オーバーオールは体型や身長に関係なく、細身でも低身長でも、誰でも着こなせるアイテムなのだ。
メンズのおしゃれなオーバーオールを着こなすコツは?
オーバーオールをおしゃれに着こなすコツはこちらだ。
- シルエットやサイズを意識する
- ワーク系コーデにする
- 胸のラインは上過ぎず下すぎない位置にする
- 肩紐の使い方を工夫する
- 靴にまでこだわりを向ける
- ロールアップでバランスを整える
- 小物を取り入れる
- 素材を意識して選ぶ
これらのポイントを意識しながらコーディネートを楽しんでいただきたい。
それぞれのポイントについて解説していく。
シルエットやサイズを意識する
オーバーオールが体型や身長に関係なく、おしゃれな着こなしができるということは、言い方を変えればシルエットやサイズを活かすことによって、着る人なりのおしゃれな着こなしができるということだ。
ワーク系コーデにする
オーバーオールが元々は労働者の作業着として普及したアイテムだからこそ、ワーク系コーデにすることで、オーバーオールの特徴を活かしたおしゃれな着こなしができるのである。
胸のラインは上過ぎず下すぎない位置にする
胸のラインが上過ぎると、どこか子供っぽい印象になってしまう。
あえて子供っぽく見せたい場合は、おすすめとなる。
逆に胸のラインが下過ぎると、オーバーオールを着ているのか見分けがつかなくなってしまい、オーバーオールの印象を薄めてしまう。
あえてオーバーオールをデニム風に着こなしたい時には、おすすと言える。
このように、胸のラインがちょうど良い位置にあると、オーバーオールを着ていることを強調できて、スタンダードにカジュアルな印象を与えられるのである。
肩紐の使い方を工夫する
さらに、オーバーオールをおしゃれに着こなすコツとして欠かせないポイントが、肩紐の使い方を工夫する、ということだ。
肩紐は、留めたままでも良し。
逆に外して紐を垂らすなど、色々な使い方がある。
具体的に、以下で確認してみよう。
両方とも留める
オーソドックスな着こなし方である。
オーバーオールを始めて試す場合や、オーバーオールの着こなしであることを強調したい場合におすすめの着こなしである。
肩ひもを外す
オーバーオールのおしゃれな着こなし術として、知っておきたい。
肩ひもを外すだけで、いい意味でオーバーオールを着崩していると言って良い、センスの良さを感じさせる着こなし方である。
両方とも外す
肩紐を両方とも外すことで、デニムを履いているような錯覚を与える。
ある意味では、オーバーオールのマイナスな印象を消して無難におしゃれな着こなしを目指す場合におすすと言える。
靴にまでこだわりを向ける
オーバーオールの着こなしを引き立たせる方法としては、オーバーオールに合わせる靴にもこだわりを向けることも重要だ。
作業着としての需要から出発したオーバーオールだけに、ブーツやカジュアルなスニーカーが相性抜群と言える。
ロールアップでバランスを整える
足元をロールアップしてめくってみることで、肌が見えて色気が出たり、かわいいという評価にもつながるだろう。
小物を取り入れる
帽子やサングラスなどを組み合わせることで、オーバーオールを着ることで印象付けられがちな「子供っぽさ」を消し、「大人っぽい」、「ワイルド」などの雰囲気を出すことができる。
素材を意識して選ぶ
オーバーオールを着こなすためには、素材選びも大切だ。
選ぶ素材によって、その素材から醸し出される印象や、似合うファッションスタイルに違いが出るからだ。
どんな違いが出るのか、それぞれの素材を見比べてみよう。
ウール素材
ウール素材のオーバーオールを着ることで、優しい印象を与える。
パーカーやトレーナーと合わせて着こなすスタイルがおすすめだ。
コーデュロイ素材
コーデュロイ素材のオーバーオールを着ると、どこか懐かしさを感じさせる。
アメカジ風ともとれるし、ワーク系コーデとも言える。
オーバーオールにとって万能型の素材と言えるだろう。
ノスタルジックな雰囲気を出したい時におすすめである。
デニム素材
デニム素材のオーバーオールは、オーバーオールに対するスタンダードな印象を与える。
つまり、オーバーオールの王道コーデと言えるのではないだろうか。
オーバーオールの着こなしをとことん味わいたい時に、おすすめである。
コットン素材
コットン素材のオーバーオールを着てみると、作業服として着ている印象を受ける。
ワーク系かつファッションの要素を出したい時におすすめの素材である。
女子ウケ抜群のオーバーオールメンズコーデ
ここからは、今までの内容を踏まえて、実際に女子ウケ間違いなしのオーバーオールメンズコーデをご紹介しよう!
オーバーオールと様々なアイテムを組み合わせたコーデを取り上げているので、ぜひ参考にしてほしい。
オーバーオール×ミリタリージャケット
オーバーオールにミリタリージャケットを掛け合わせることで、ワイルドでストリート系に様変わり。
肩紐を両方とも外しているところにも注目。
オーバーオール×ハット×白Tシャツ
オーバーオールと白Tシャツの相性は抜群!
さらにオーバーオールとハットを合わせることで、地味な印象を消すことにも成功!
オーバーオール×革靴
この画像を見ていると、オーバーオールを着ていることを忘れてしまうのではないだろうか。
オーバーオールと革靴を合わせると、いい意味でオーバーオールを着ていることが忘れられるくらい、オーバーオールに染み着いている負の印象を消すことができる。
オーバーオール×キャップ
オーバーオールにキャップを合わせると、カジュアル×おしゃれ、カジュアル×大人というように、オーバーオールにいくつもの雰囲気を掛け算することができる。
オーバーオール×黒革ジャケット
オーバーオールと黒革ジャケットを合わせることで、ワイルドな印象が作られる。
オーバーオールの両肩紐を外して、デニム風に着こなしていることもポイント。
オーバーオール×白スニーカー
青や紺のオーバーオールに白のスニーカーを組み合わせると、爽やかで好青年的な印象を与える。
オーバーオール×白Tシャツ
オーバーオールに白Tシャツを合わせることで、オーソドックスなデニムの着こなしを感じさせる。
両肩紐を外し、足元をめくっているところにも注目。
オーバーオール×白ロンT
オーバーオールと白ロンTの組み合わせは、女子ウケを狙う上でポイントの高い“かわいい”を演出することができる。
オーバーオール×黒Tシャツ×黒ハット
黒のオーバーオールに黒Tシャツや黒ハットと、全てを黒ずくめで揃えることで、オーバーオールのダサい印象を消し去り、男らしい印象に変えることができる。
オーバーオール×ブラウンTシャツ
ブラウンTシャツの下に明るい色の青いオーバーオールを加えて着こなすと、爽やかな印象に仕上がる。
オーバーオール×パーカー×ニット帽
オーバーオールにパーカーとニット帽を組み合わせて、やんちゃでカジュアルな雰囲気を醸し出す。やんちゃでも子供っぽさは消えている点もポイント。
オーバーオール×ブルーシャツ
オーバーオールにブルーシャツを組み合わせて、王道のデニム風な雰囲気を醸し出す。
さらには、カジュアルで爽やかな印象に仕上がる。
オーバーオール×カーディガン
オーバーオールの上からゆったりとした着心地のカーディガンを羽織ることで、秋らしい、柔らかい雰囲気を醸し出すことができる。
オーバーオール×トレンチコート
オーバーオールにトレンチコートを組み合わせることで、冬らしい温もりを感じられる。
胸まで覆うことのできるオーバーオールの上に、膝元まで覆えるトレンチコートを重ね着していることで、温かさも倍増?
オーバーオール×ボーダーTシャツ
オーバーオールに明るい色のボーダーTシャツを合わせてみると、爽やかで涼しそうな雰囲気を演出することができる。
オーバーオールの持つネガティブなイメージは消え、おしゃれな仕上がりに変貌する。
オーバーオール×ベスト×サンダル
これぞ着こなし術!オーバーオールにベストやサンダルを合わせて職人風ワークスタイルに。
ワークファッションでありながら、ダサくならずに男らしいおしゃれな雰囲気も残している。
まさに上級者コーデと言えるだろう。
オーバーオール×ブラウントレーナー
オーバーオールのインナーにブラウントレーナーを組み合わせることで、ブラウントレーナーが持つ色の印象がオーバーオールの印象を打ち消し、おしゃれなコーデへと大変身する。
これもまた上級者テクニックと言えるだろう。
メンズにおすすめのオーバーオール人気ブランド8選
ここまで見てきた中で、最後にメンズにおすすめのオーバーオール人気ブランドを厳選して8つご紹介する。
ぜひ、ご自分に似合う、お気に召すブランドを探してみてほしい。
LEE
■特徴:1,989年にカンザス州で創業された歴史的ブランド。
ポケットが丸型。ストレートなシルエット。綺麗に縦に薄くなる色落ち。
■平均価格:5,125円
(カーハート) carhartt
■特徴:1,889年創業。見た目がかわいいため、メンズでもレディースでも人気。丈夫な素材。
バックポケットが大きい。太いシルエットの商品が多い。
長持ちするので、色落ちしていく過程を楽しめる。
■平均価格:7,343円
ディッキーズ
■特徴:1,922年にテキサス州で創業。労働者用のアイテムとして発足。耐久性が強い。
色は薄いライトブルー。着ると、爽やかな印象に。ストリート系のイメージ。
■平均価格:9,900円
BEN DAVIS
■特徴:1,935年、創業。ゆったりとしたシルエットから、ヒップホップで利用されるイメージ。
シンプルなデザイン。
■平均価格:11,760円
ラウンドハウス
■特徴:すっきりとしたサイズ。体格が小さくでも、着やすい。フィットしやすく、動きやすい。
アメリカ発症のブランドの中で、価格がお手頃。
■平均価格:4,280円
エイト
■特徴:ゆったりからスリム、作業に適したデザインまで、幅広いサイズやデザインがある印象。
■参考価格:2,995円~8,690円 ※Amazonでの価格
SUGAR CANE(シュガーケーン)
■特徴:ワーク系のアイテムが多い。ヴィンテージブランドの実名復刻品を取り揃えている。
背面のストラップ部分がゴムになっている。ヴィンテージ好き向け。
■平均価格:29,480円
ジョンブル
■特徴:ワーク系、ミリタリー系など、様々なデザインがある印象。
また、同じ青のデザインでも薄いライトブルーから濃紺まで取り揃えている印象。
■価格:16,940円
おしゃれにこだわりがある人にこそ着て欲しい
この記事では、世間一般的に言われているように、「メンズオーバーオールはダサい」のかについて問題意識を持ち、ダサいと言われる理由を挙げてみた。
そして、メンズオーバーオールでも様々な着こなし術があり、誰でもおしゃれに着こなすことができるという論点を中心に取り上げてきた。
記事を執筆してきた作者の感想としては、執筆前には世間で言われているものと同じイメージを持っていたが、オーバーオールについて調べ、記事を書き進めるにつれ、いい意味でイメージを覆された。
様々な用途で利用できて、身体的な特徴に関わらず、どんな人にもおしゃれに着こなすことを可能にさせるオーバーオールに、深い敬意と可能性を感じたからだ。
だからこそ、おしゃれに強いこだわりがある人、ファッションが大好きなひとにこそ、一度オーバーオールを着るという選択肢を持ってほしい。
長文に渡り、最後までお付き合いいただきありがとうございました。