乗りたかったのは、キブンが乗るクルマ Vol.278
2021.09.02
CAR

販売終了後も大人気! 個性派なのに使い勝手も◎ 世界に誇れる国産SUV4選

人と違うSUVに乗りたいなら輸入車か? 否!日本製SUVには個性が際立つ名車が多くある。

国産SUVの歴史の中で、その見た目と気の利いた使い勝手で未だに人気が高い個性派4台をピックアップ!

 

■トヨタ FJクルーザー

トヨタ FJクルーザー
FJクルーザー。ラダーフレームに上物を載せるセパレート構造はランクルと同様。4LのV6エンジンを搭載し、パートタイム式4WDシステムが採用された。

アメリカの若年層をメインターゲットに据えて2005年からアメリカで販売されたSUVが、FJクルーザーだ。

一見してベースがランドクルーザー プラドとはわからないほど個性的なフォルムが与えられたのは、アメリカの若者の中でのトヨタブランドのイメージを変えるのが目的だったという。

丸目のフロントライトや「TOYOTA」ロゴなど、40系ランクルに通じるモチーフを取り入れながら、トヨタの新しいSUV像を提案した1台なのだ。

当初は日本に導入される予定はなかったのだが、逆輸入車が人気となるなど日本でも熱望されたため、2010年に右ハンドルモデルが導入され、2018年まで販売されていた。

濡れたウェットスーツのままでも乗り込めるよう、シートやフロアは防水加工された素材が採用された。またウインタースポーツでの利用も想定し、厚手のグローブでも操作しやすいドアハンドルや大型ダイヤルが備えられた。

「オフロードで気兼ねなく遊べる車」を目指して開発されたFJクルーザーは、本格的なオフロードでの走破性能を備えただけでなく、アメリカのカスタムカルチャーも重視。純正のカスタムパーツも豊富に用意された。

見た目のカスタムパーツだけでなく、オフロード走破性を高める「オフロードパッケージ」も用意された。

熱心なファンにはアメリカからカスタムパーツを個人輸入している人もいるほどで、中古車の人気は未だに高く、中古車サイトでの市場価格は300万円前後となる。

 

■日産 エクストレイル(初代)

日産 エクストレイル
エクストレイル(初代)。エンジンは2Lと2Lターボの2種類。トランスミッションは4速ATがメインだが、5速MT×4WDというモデルもあった。

FJクルーザーがアメリカの若者なら、2000年に販売されたエクストレイルは日本の若者獲得を目指して開発されたSUVだ。

SUVは「高い」「取り回しが悪い」「燃費が悪い」「乗り降りしにくい」という声に耳を傾け、アウトドアを手軽に楽しめる手頃なSUVを目指し、最廉価グレードで車両本体価格185万円という価格で販売された。

ラゲージボードは取り外して水洗いできるので、濡れたり汚れたギアをそのまま放り込める。海や川で濡れたまま乗り込めるよう防水加工シートを備えたグレードも用意された。

後席背もたれを倒すとラゲージをフラットな状態で拡大できるので、仮眠もできる優れものだ。

センターコンソールにはエアコンの送風を利用した冷暖機能付きのドリンクボックスが備わり、夏は8度、冬は55度の温度にしてくれる。

スクエアなスタイルは見た目の良さだけでなく、運転席からの見切りもよく、取り回しも良好。

日帰りスキーやサーフィンでの利用を想定し、運転席でも着替えがしやすいよう、ステアリングを跳ね上げる機構が備えられた。

ウインタースポーツ派にはうれしい前後席シートヒーターや、草木の間を抜けて走った際にできやすいすり傷が自然に回復する塗装技術も採用された。

2WDと4WD仕様があり、4WDは自動で2WD/4WDを切り替えるオートモードと、2WDモード、4WDモードをスイッチで選ぶことができる。

現在中古車は100万円以下で十分狙えて、オジサンも若者も手軽に買える。

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■ホンダ クロスロード

ホンダ クロスロード
クロスロード。1.8Lまたは2Lエンジンに5速ATが組み合わされる。2WDと4WDがあり、4WDは通常は前輪のみで走りスリップを検知すると瞬時に後輪を駆動させる。

全長約4.3mと現行型ヴェゼルとほぼ同じ大きさなのに、3列目シートを備えていたコンパクトSUV、クロスロード。当時のコンパクトミニバン、ストリームをSUVに仕立て、2007年にデビューした。

今では3列シートを備えたSUVはいくつかあるが、このサイズは当時も今も画期的。ただ、デビューした頃はまだ日本ではミニバン全盛期ゆえ、「3列シートが必要ならミニバンを買うよ」と思われたのか、たった3年で販売が終了してしまった。

同社ならではの低床化技術で室内は見た目より広々している。普段は3列目シートを床下に収納した状態で348Lと、このサイズの5人乗りSUVとして使っても十分広いラゲージを備えていた。

またこの頃のSUVの場合、助手席側の死角をなくすための補助ミラーが備わることが多いのだが、クロスロードでは助手席側ドラミラーの下部に鏡を備えて、補助ミラーをなくしたことも、見た目の良さを格上げしている。

2・3列シートを倒せば自転車を2台収納することも可能。3列目シートの収納はラゲージ側からも簡単に行える。

今となってはキュービックなフォルムがウケて、中古車市場では平均約90万円とやや高値で出回っている。リフトアップやアースカラーに全塗装されているなど、カスタマイズされたものが多いのも人気の証だろう。

2列目シートも倒してラゲージを拡大することを想定し、撥水加工シートとセットオプションで、2列目の背もたれにハードボードを装着することもできた。

それでも、このスクエアフォルムで、日本では圧倒的に取り回しやすいサイズは唯一無二だけに、気に入ってしまったら中古車を探すほかない。

 

■ホンダ エレメント

ホンダ エレメント
エレメント。2.4Lエンジンに4速ATの組みあわせ。2WDのみとなる。全長4.3mと日本で乗り回しやすいサイズだ。

トヨタだけでなく、ホンダだってアメリカの若者に振り向いてもらうため、かつてキャラ濃いめなSUVを作っていた。2002年にまずアメリカで販売され、2003年には日本でも販売されたエレメントだ。

しかし当時の日本の若者には早過ぎたのか、約2年後の2005年には販売が終了してしまった。ちなみにアメリカでは2011年まで販売されている。

開発スタッフは若手アメリカ人チーム。ライフガードステーションをモチーフにデザインされたこのSUVは左右とも観音開きドアを備えていた。

観音ドアを開くと幅1550mm×高さ1140mmと大開口。2列目シートを跳ね上げると「身長6フィート(約183cm)の人でも仮眠できる」よう、フラットな床が備えられた。

これはヒンジドアより開口部が広く取れるため、大きなギアを持ったまま車内に乗り込みやすくするためだ。

バックドアは上下に分割して開閉し、下のゲートは大人が腰掛けて上のゲードで日差しを避けながら、良い波が来るまで待つ、なんて使い方が想定されていた。

2列目シートを左右に跳ね上げればフラットなラゲージが拡大でき、マウンテンバイクを2台収納可能。フロアは濡れてもモップで拭ける防水性の高い素材が、シートも撥水加工が施されているので、波で濡れたウェットスーツのままでも、雪まみれのウェアでも気にせずドカドカ乗り込めた。

左右からだけでなく、後ろから乗り込むことも想定されていたため、バックドアの開口部も大きくとられている。

新車ではすぐに販売終了してしまったが、中古車市場では、15年以上前の車にもかかわらず現在でも平均価格で100万円を超える大人気ぶりだ。

 

籠島康弘=文

# SUV# トヨタ# ホンダ# 国産車# 日産
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