乗りたかったのは、キブンが乗るクルマ Vol.217
2021.03.10
CAR

「車は移動手段ではなく相棒」キャンプに魅せられた男の“タープ代わり”のディフェンダー

俺のクルマと、アイツのクルマ
男にとって車は名刺代わり。だから、いい車に乗っている人に男は憧れる。じゃあ“いい車”のいいって何だ? その実態を探るため「俺よりセンスいいよ、アイツ」という車好きを数珠つなぎに紹介してもらう企画。


■19人目■
須山友之さん(41歳)

妻とふたりの子供の4人家族。大手光学機器メーカーを経て、仲間とともにデザインコンセプトの会社を設立。8年ほど代表を務めたあと、キャンプ好きが繋がる場所「TARP to TARP」のコンセプトを思いつき、ディスカバリー株式会社を設立。

2019年、横浜にカフェ「TARP to TARP」をオープンさせた。ちなみに社名は当時の愛車「ランドローバーディスカバリー4」に由来する。


■ランドローバー ディフェンダー■

本格派オフローダーとして人気の高い初代ディフェンダー。その機能や雰囲気が21世紀仕様にアップデートされて、昨年から販売が開始されたのが新型ディフェンダーだ。

ロングホイールベースの110とショートホイールベースの90があり、須山さんは110を選択。軽量アルミニウムによるモノコック構造は「ランドローバー史上最も頑丈」と謳われている。


NEXT PAGE /

ランドローバーが、人生を変えた

キャンパーのサードプレイスとして、須山さんがカフェ兼ショップTARP to TARPを開いたのは2019年5月。

「ある日、私がキャンプの様子をSNSで発信したところ、一度もお会いしたことのない方から『一緒にキャンプへ行きませんか』とお誘いいただたんですね。そして実際に初対面の2家族が、一緒にキャンプを楽しんだことがありました」。

210309m
210309y1__DSC0471cp
210309y1__DSC0476
210309y1__DSC0479
210309y1__DSC0485
210309y1__DSC0543
210309y1__DSC0471cp
210309y1__DSC0476
210309y1__DSC0479
210309y1__DSC0485
210309y1__DSC0543

例えばこれが、温泉旅行ならどうか、答えは「行かない」だろう。しかし泊まりのキャンプはOKになってしまう。それくらい、キャンプには人と人をつなげる不思議な力があるのだ。

それなのに、意外と繋がれる場所がないという。

「キャンプギアショップには、キャンプ好きがたくさん来店しますよね。つまり同じ趣味の人々が集まる場所はある。ところが彼らが会話を交わす場所は、案外なかったんです」。

だったら自分で作っちゃおう、がTARP to TARPとなった。

当時、仲間と立ち上げた会社がようやく軌道に乗ってきた頃。まさにこれからという時期に、その会社を仲間に譲ってTARP to TARPを横浜でオープンしたのだ。

場所は横浜、馬車道駅から徒歩1分ほど。ショップ名の由来は、もちろんキャンプでお馴染みのタープ。「タープは、横から見ると人という漢字に似ているし、隣のタープと繋ぐこともできる。そんな、キャンプ場のタープみたいに人と人を繋ぎたいという意味を込めて付けました」。

そもそも須山さんがここまでキャンプに傾倒した発端は「ディスカバリー4を購入したこと」だと言う。

「以前もキャンプへは何度か行っていたんですが、その頃は、仕事が忙しかったこともあり、すっかりご無沙汰になっていたんです」。

購入時のディーラースタッフの「この車を買われる方の多くは、キャンプを楽しんでいます」という言葉で、「そうだ、久々にキャンプに行こう!」と思い、ディスカバリー4でSNSにキャンプを楽しむ様子を上げていたら、先述のようにSNS上での繋がりができ、あれよあれよという間にライフワークになり、仕事になり……というわけだ。

NEXT PAGE /

キャンプが繋いだ新型ディフェンダーとの縁

2〜4歳までの須山さんは、アラスカのアンカレッジにいた。「夜中に親にたたき起こされて、オーロラを見たことがあります」。

フロントとリアのバンパー、そしてボンネット上とリアの「DISCOVERY」というロゴもマットブラックに塗装。

普通、2〜4歳の頃の記憶なんて思い出せるものではないが、その光景や起こされた時間をよく覚えているという。

それだけ凍てつく空に浮かんだ大きくて美しいオーロラは、幼い子供の脳裏に強く焼き付いたのだろう。これがキャンプ好きになる原体験だ。

一旦は帰国するが、中学校を卒業すると今度はアメリカのハイスクールへ入学した。

「当時、向こうはSUVが街にあふれていました。日本では今でもレンジローバーって高級車のイメージですが、アメリカではよく見かける車で、みんな何にも気を遣わず日常の足として乗っていたので、自然と親しみがありました」。

フロントランナーのルーフラックを装着。新型ディフェンダーで同社のルーフラックを備えたのは須山さんが第一号だとフロントランナーの人に言われる。

いつかはランドローバーオーナーになりたい。そんな気持ちから、起業して一段落した折に、ディスカバリー4を選んだのだという。

「ディスカバリーに乗って、やっぱり自分にはSUVが合ってるんだなぁと、改めて思いました」。

しかし須山さんは今、昨年の12月25日に納車されたディフェンダーに乗っている。

「これも“キャンプ活動”の影響といえばそうなんですが……」。

SNSでのディスカバリー4でキャンプを楽しむ様子が、ランドローバーのディーラーの知るところとなり、「ランドローバーブランドを日本のキャンプシーンにPRしたいんです、何か一緒にやれませんかと、言っていただいたんです」。

そこでTARP to TARPが主催した朝霧ジャンボリーのキャンプイベントに、発売前の新型ディフェンダーを展示してもらった。

それがきっかけでディフェンダーが気になるように。ちょうど時を同じくして愛車のディスカバリー4の調子が悪くなり、妻からも「修理代が高いわね」と言われるようになった。

そのとき、渡りに船とばかりに「僕好みのボディカラーと仕様のディフェンダーが本国から入庫するので、今なら押さえられますとの連絡があったんです」。

すぐに見に行き、その帰り道にはディーラーに電話をし、契約していた。

アルミホイールはオプションのスモークグレーの20インチをセレクト。よりワイルドに。
NEXT PAGE /

攻め続けるためのディフェンダー

納車されてすぐの昨年末には、家族を連れてディフェンダーでキャンプを楽しんだ。年が明けてすぐも、「半分趣味で半分仕事」でひとりキャンプへも出掛けている。

ボディカラーはパンゲアグリーン。これにオプションのサテンプロティクティブフィルムを貼ったので、スモーキーな味わいに仕上がっている。

キャンプで知り合った人の中にはランドローバー乗りが何人かいて、彼らと「ランド会」なるイベントも企画中だという。今年はコロナ禍でやれなかった雪中泊もやりたい。

仕事でも、既に抱えているいくつかの企業との楽しそうな取り組みや、5月には前回よりも規模の大きなTARP to TARP主催キャンプを計画している。

さらには、海外の圧倒的なロケーションを日本のキャンパーに紹介するツアーや、逆に海外のキャンパーに、日本の美しい景色を紹介するツアーもやりたい。

「まだまだやりたいことがたくさんあるんですよ(笑)。」と須山さん。その攻め続ける姿勢を、ディフェンダーは後押ししてくれるという。

「ディフェンダーって、キャンプとの親和性も高いし、この新型も注目度の高さを感じています。だからキャンプ場に乗っていくと、話題になるんですよ。ディフェンダーに興味を持ってくれて、カスタムの話で盛り上がった知り合いを乗せたり、運転してもらうこともあります。それで自分も契約しちゃった人も何人かいます(笑)」。

オプションのサイドステップを装着。そして、すべてマットブラックに塗装。

つまりこの車自体が、いろいろな“繋がり”を作るTARP to TARPの出張所のような存在になっているのだ。

「車って単純に移動手段ではなく、相棒みたいなところがありますよね。キャンプでは街よりももっと切り離せない相棒だし、TARP to TARPの“to”の部分みたいに、たくさんの繋がりを生んでくれる存在なんですよ」。

「もちろん、個人的にもしっかり愛せる車です。ちなみに前のディスカバリー4は、4年間で8万5000kmも走りました(笑)」。

これから、須山さんの仕事も遊びも人生も乗せて走るディフェンダーは、いったいどれだけの距離を走り、どれだけの“タープ”を繋いでいくのだろう。

鳥居健次郎=写真 籠島康弘=取材・文

# 110# ディフェンダー# ランドローバー#
更に読み込む