「ウェルネス&腕時計」特集 Vol.36
2021.07.15
CAR

現代SUVの始祖!? 6人の車好きが抱く“パサート オールトラック”の魅力

ゆったりとした乗り心地と広い室内空間を備えた「フォルクスワーゲン パサート オールトラック」。

長距離ドライブで真価を発揮する快適な乗り心地や、ドイツらしいシンプルで機能的なデザインなど、長く乗りたいと思わせるこの一台を識者たちはどう分析するのか。

VOLKSWAGEN PASSAT ALLTRACK
フォルクスワーゲン パサート オールトラック
パサート ヴァリアント(ステーションワゴン)をベースに、車高を25mmほど高くしたクロスオーバーモデル。

このたびマイナーチェンジを受けて大きく変わったのはインテリア。ステアリングホイールの中央にあるエンブレムは新デザインになり、またエアコンの操作パネルもタッチパネル式となり、より洗練された印象になった。

パワートレインは2L直列4気筒のディーゼルターボのみで、駆動方式も「4モーション」と呼ばれるフルタイム4WDのみの設定となる。全長4785×全幅1855×全高1535mm 552万9000円〜。

① 嘘のない適正感に惚れてます

これまで、ずっとドイツ車に乗っています。最初がBMW 3シリーズ、次にフォルクスワーゲンのジェッタ、その次が初代アウディA6 オールロード クワトロ、そして今乗っているのが、2代目トゥアレグ。個人的には、ドイツ車のしっかり感が好きなんです。スタイリングのテイストやキャラクターから、アメ車や旧車に乗ってそうに見られがちなんですけれどね。

歴代愛車の好きなところは、質実剛健で、クオリティと価格に嘘がない適正な感じ。特に10万km以上ともにしたA6 オールロード クワトロは、もっと長く乗りたかったほどです。そのしっかりした乗り味に近かったのが、トゥアレグでした。選んだブラウンのボディカラーもほかにはあまりなくて気に入っています。

フォルクスワーゲンは、オーセンティックなんだけれど、カジュアルな印象。メルセデス・ベンツやBMWのような、きらびやかさはないけれども、少し色気がある。その辺のバランスもいいですね。

パサート オールトラックは、好きだったA6 オールロード クワトロと同じ腰高ワゴン。このアウトドア風味がいいですね。

職業に寄せるわけじゃないけれど、洋服に求めるものに近いのかもしれませんね。機能的でありながら、色気もある。そして、しっかりとしたフォルクスワーゲンらしい走り……。この車は乗ったことはないけれど、おそらくそうですよね。ここまで褒めたら、アンバサダーになれますかね(笑)。

スタイリスト/「サンセ サンセ」ディレクター
梶 雄太
スタイリングのほか、ブランドディレクターなど多岐にわたり活躍。明るいキャラクターでいつも現場のムードメーカー的存在。昨年子供を授かり、暮らしの幅を広げるべく、近々キャンプを始めるとか?

 

② 走る、曲がる、止まる、積める

VWのセダン&ワゴンのラインナップの中では最も大きく最も上質なポジションに位置するパサート。初代は1973年に登場して現行型は8代目と、ゴルフより長い歴史を誇ります。会社にとっては乗用車造りにおける精神的支柱といっても過言ではありません。

その最大の特徴は何かと言われれば、ともあれ“まじめ”なことだと思います。車格的にはメルセデスになぞらえればCクラスとEクラスの間といったところですが、FFの利を活かしてとにかく広い。後席のレッグスペースはSクラスに迫るほどで、トランク容量はそれをも上回ります。

となるとワゴンの広さは推して知るべし。後席使用時で650Lの荷室容量はステーションワゴンでナンバーワンだそうです。ゴルフバッグ4つは当然のこと、アウトドアでも本格的なツールやなんやを使いこなそうとすると荷物も嵩みますから、SUVにも勝るラゲッジの大きさは頼もしいですよね。

パサート オールトラックは、この広大な居住性や積載性に四駆の走破性、操縦安定性を加えつつ、低重心な体躯がもたらす走りの気持ち良さや乗り心地の良さをウリとしています。SUVほど張り切った感じもなく、街でも自然でも、どちらにもふわっとフィットする。

それでいて、走る曲がる止まるのレベルはSUVより確実に高い。この手のワゴンって、酸いも甘いも知った大人の賢い選択ではないでしょうか。

自動車ライター
渡辺敏史
出版社で自動車/バイク雑誌の編集に携わったあと、独立。自動車誌での執筆量が非常に多いジャーナリストのひとり。車の評価基準は、市井の人の暮らしにとって、いいものかどうか。

 

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③ 大人も子供も大満足!

車は仕事の相棒として欠かせない存在。ポイントは、ギアを積むための十分な荷室に加えて、未舗装路や雪道を走破するパワーと、長距離移動する際の安全性と快適性ですね。

今、愛用しているパサート オールトラックはその点で申し分なし。時折訪れる標高1000m級の雪道を走る際は、四駆の路面に対するグリップ力は頼りになりますね。

そして、北は北海道、南は四国まで、アクティビティに応じて異なる土地に長距離移動するので、その中での安全性・快適性は大きなメリット。選手時代の経験ですが、ヨーロッパでは、試合のたびに1日で数百kmの移動はざらでした。

今でもひとりで移動するとなると、それくらいの距離であれば一晩で移動します。その際は、前方車との距離を適切に保ちつつ、追従してくれるアダプティブクルーズコントロールはすごく役立ちますね。

運転のストレスから解放されることで、到着後のパフォーマンスも上がりますし、車内空間を個室として仕事のアイデア出しに使えるのもいいですね。

そして、しっかりと馬力があり走行性能が高く、運転そのものも楽しめるのも魅力。5歳の長男、4歳の次男は、「前の車を抜けー!」などと言うので、ちょっと加速してあげると大喜び。ルーフが開くのも楽しいみたいです。子供も大人も満足させる、万能な車といったところでしょうか。

「野沢グリーンフィールド」代表
河野健児
世界を転戦するスキークロス選手として10代から活躍。レースの世界から引退したのち、地元・野沢温泉村を拠点に、キャンプやSUPなどを通じてアウトドア体験の魅力を伝えている。

 

④ 完璧にこなす“仕事人”

昭和も遠くなったので、いきなり左門豊作なんていってもわかんないですよね。左門豊作は漫画「巨人の星」の星飛雄馬のライバルで、熊本出身。畑仕事で鍛えたので体はめっちゃ強いです。両親がいなくて、5人の弟と妹を育てています。暗いところでガリ勉したので、牛乳ビンの底みたいなメガネをしています。真面目で、気は優しくて力持ちです。

で、パサート オールトラックに乗っていると、左門豊作の顔が浮かんでくるのです。もりもりと力が湧いてくるディーゼルエンジン。どっしりとした高速での安定性と、あぜ道も雪道もぐいぐい行ける四輪駆動システム。

率直に申し上げて、花形満の前髪のような華やかさや、炎が燃え盛る星飛雄馬の瞳みたいなエモーションは感じません。でも、実直にやるべき仕事を完璧にこなすから、それはそれは頼りになるのです。

ムダな飾りはない代わりに、2021年の新型車として必要な機能はすべて備わっています。華やかさはないと書きましたが、この車には機能を突き詰めた美しさ、「用の美」があります。

「悪路なら、SUVのほうが上じゃん」という意見もあるでしょう。ただ、どこにでも行けそうなSUVが苦手とするのが、都市部の立体駐車場。最近は背の高いモデルに対応する立駐もありますが、基本は全高1550mmがひとつの目安。その点、この車は全高1535mmだから、楽々クリア。左門豊作だと書きましたけれど、実は都会派なのです。

モータージャーナリスト
サトータケシ
フリーランスのライター/エディター。天気が安定しない梅雨時は、撮影や取材のスケジュールが定まらずにオタオタするらしい。「マジでてるてる坊主を作ってます」とのこと。

 

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⑤ アウトドア愛好者の最適解

実はⅡ、Ⅴ、Ⅶと、20年以上ゴルフを乗り継いでいます。生粋のフォルクスワーゲンユーザーなんですよ。

ゴルフは、そのサイズ感以上の大きな車に乗っているような安心感があります。硬めの乗り心地や高速走行時の安定性。週末はたいてい郊外で過ごすライフスタイルなので、何より長距離移動が楽な車がいい。それでいて街でも運転しやすいコンパクトさ。ゴルフは、今の僕に本当にマッチしている車なんです。

とはいえ、諸事情がクリアできれば大きいサイズの車が欲しいのも事実(笑)。今回のパサートには、勝手ながらとても期待しています。

まず6速AT→7速ATへの変更。絶対的に走りが良くなっているはずで、そこがいちばんの魅力ですね。また世界的にどのメーカーも電気自動車へとシフトしていますから、このパサートが「最後の純粋なディーゼル車」となるかもしれません。そういう意味でも貴重な車なのでは。

車の乗り味と環境問題の両方を考慮すると、今個人的には「ディーゼルと電気のハイブリッドが最強」だと思っています。もしハイブリッドモデルが出たら、ゴルフから乗り換えてしまうかもしれませんね。

コストパフォーマンスが高く質実剛健。道具としては申し分なく、これ以上アウトドアに適した車はそうないと思います。多くのアウトドア愛好者にマッチする一台だと、僭越ながら確信しています。

「ザ・ノース・フェイス」プレス リーダー
宮﨑 浩
サーフィンから登山まで、あらゆるフィールドでのアクティビティを実践するアウトドアマン。スケート、スノーボードの“横乗り歴”は実に40年に及ぶ。サーフボードは中積み派。

 

⑥ 現代SUVの始祖!?

SUVの始祖は何か? ジープのワゴンという説や初めてSUVと名乗ったジープ チェロキーという説、さらには日本のスバルも量産初の乗用車4WD、レオーネをかなり早くに出していたぞ、など諸説あります。

1970年代後半に登場したAMC イーグルなどはワゴンとクロカン4WDのクロスオーバー(=ステーションワゴンSUV)として今日的な意味でのSUVの始祖だったという説も有力。つまり、車高をひょいと上げたワゴンこそ現代SUVの始まりだった、と。

それが室内をだんだんと広げ、今じゃ背の高いSUVのほうが主流になった。でも本当に使いやすいという意味ではセダンのように距離の長短を問わず便利に乗れて、クロカン四駆のように道を選ばない元祖=ステーションワゴンSUVのほうがベターだと思うのです。このパサート オールトラックのように。

前置きが長くなりましたが、とにかくでっかいSUVに押されて今じゃドイツの数ブランドと日本のスバルくらいしか造っていないカタチだから、今乗ればかえって注目を浴びそうです。

なかでもVWにはゴルフとパサートにこのカタチがあって、大きいほうのパサート オールトラックは荷物がたっぷり積めるミッドサイズの正統派ステーションワゴンがベース、というところがウリ。快活で燃費に優れたディーゼルターボで長距離にも最適。

アウトドアライフでオフロードを走る機会も増えそうな昨今、人とは違う“SUV”はいかが?

モータージャーナリスト
西川 淳
フリーランスの自動車“趣味”ライター。得意分野は、スーパースポーツ、クラシック&ヴィンテージといった趣味車。愛車もフィアット500(古くて可愛いやつ)やロータス エランなど趣味三昧。

 

加瀬友重、髙村将司=文

# フォルクスワーゲン#
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