ユースケ部長も登場! 「イケオジ着回し物語」 Vol.55
2020.11.23
CAR

この車となら、どこへでも。史上初のPHEV車を出したジープの職務経歴書

ジープは「4駆」の代名詞的メーカーといえるだろう。しかしながら、ブランド名の由来やミリタリーとの関係性など、意外に知られていない点も多いのだ。

そんな疑問の数々を、マーケティング部門のキーマンに率直にぶつけてみた。

FCAジャパン マーケティング本部 ジープ コミュニケーションマネージャー 新海宏樹 氏

FCAジャパン マーケティング本部 ジープ コミュニケーションマネージャー
新海宏樹 氏
1981年、神奈川県出身。日本の大学を経て、英リーズ大学大学院にて経営学を修める。外資系大手化粧品会社で営業およびマーケティングを経験したのち、2012年、FCAジャパンに入社。ジープの広告戦略などマーケティングに携わる。アウトドア派で趣味はスキー、キャンプ、トレッキングなど。愛車はグランドチェロキー。

Brand Profile
1941年、米軍兵士をサポートするための4輪駆動車「ウィリス」を開発し、その歴史をスタート。戦後はレクリエーション用車両の需要に合わせて「CJ-5」「ワゴニア」「チェロキー」「ラングラー」など数々の傑作モデルを送り出してきた。2014年にFCAの傘下に。’16年には過去最高の販売台数を記録し、さらなる飛躍を遂げている。

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切っても切り離せないミリタリーとの関係

ジープには本物の響きがある。本物とはつまり、圧倒的オリジナリティとタフネスだ。誰もが「4輪駆動車ってこうだよね」と、直感的に納得してしまうのである。日本市場でコミュニケーションを担当する新海宏樹氏は、その理由をこんなふうに分析してくれた。

「もともと軍用車であったことが大きいと思います。たとえ車輪がひとつ外れても動いてくれる。工夫すればボンネットに荷物も積める。“どこへでも行ける。何でもできる”と評された初代『ウィリス』のDNAが、今も息づいているからではないでしょうか」。

1941年に登場した初代「ウィリス」。台形のホイールアーチやフロントグリルといったジープならではのディテールはこのモデルが元祖。もちろんタフネスや走破性といったモノ作りの哲学もここから生まれている。ニューヨーク近代美術館にも展示される歴史的な1台。

1941〜’45年まで生産された「ウィリス」の逸話は、本国アメリカにおいては伝説的だ。

長距離パトロールから除雪作業までこなし、消防ポンプ車や戦場救急車としても活躍。第二次世界大戦でヨーロッパ戦線を率いたのちの米大統領アイゼンハワーは、「ジープがなければ勝てなかった」と残している。

「この汎用性の高さが、実はジープという名前の由来だという説があるんです。ジェネラル・パーパス・ビークル──日本語で言えば汎用偵察車──の頭文字のGとPをつなげて、“ジーピー”と呼んでいた。それが転訛してジープになったといわれています」。

そして戦後、一般向けモデルの開発を試みたジープはある傑作を世に送り出す。それが’54年発表の「CJ-5」だ。

[上]1954〜’83年まで生産された「CJ-5」。ジープの代名詞的モデルであり、のちの4輪駆動車の代名詞ともなった傑作だ。[下]小型SUVの人気の高まりを予見して’84年に開発された「チェロキー(XJ)」。当時のフルサイズモデル「ワゴニア」に比べ大幅なコンパクト化を実現。

「モデル名のCはシビリアン、つまり一般市民を表しています。軍用ではない初のジープ。高い人気を誇る現行のラングラーに直結するデザインといえます」。

[上]「CJ」シリーズの後継車種として’87年に生まれた「ラングラー(YJ)」は、ジープ中期の傑作。[下]こちらは現行の「グランドチェロキー」。快適な長距離移動を約束する最高級モデルだ。新海氏いわく「車としての完成度の高さが見事」。

丸みのあるボディを採用し、快適さと高い走破性を両立。この「CJ-5」の生産期間は実に30年にわたり、世界150カ国以上で販売されることになる。

ミリタリーを出自として、のちに世界中のオフローダーファンを魅了するジープの歴史は、このモデルによって第2幕が上がったといえる。

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小さなSUVから大きなSUVまで

フラッグシップのグランドチェロキーをベースに、2017年に登場したコンパクトSUVがこの「コンパス」。余裕を感じさせる2.4Lエンジンを搭載。

現在のジープのラインナップは5つ。サイズの小さい順に「レネゲード」「コンパス」「ラングラー」「チェロキー」「グランドチェロキー」だ。日本においてはレネゲードとラングラーの人気が高い。

「レネゲードは、2015年に誕生したジープ初のスモールSUVです。街での機動性と取り回しに優れた、遊び心のある車です」。

日本最人気の「ラングラー」。2ドアモデルを用意するのはこのラングラーのみとなる。武骨な外観と最新装備の融合が、人気の秘密だろう。

丸目ライト&ボクシーなフォルム。必要十分な1.3Lのターボエンジンを積み、安全性能も充実。4駆モデルを選べばクラス屈指のオフロード性能を発揮する。そしてジープの最人気車種がラングラーだ。先述の「ウィリス」および「CJ-5」の系譜に連なる、まさにジープらしいモデル。

我々40代に刺さるデザインであることは間違いないが、実は20代、30代のオーナーも多いのが面白い点だ、と新海氏は見ている。

’14年のフルモデルチェンジを経て、’18年にマイナーチェンンジ果たした伝統の「チェロキー」。街でもスタイリッシュに映る外観が魅力だ。

「同クラスの他車オーナーの平均年齢よりもずっと若いんです。“若年層の車離れ”と言われて久しいけれど、車のある生活を楽しもうとする若い方は、ちゃんと存在している。事実会社の成長を支えているモデルですが、若い方に人気なのは純粋にうれしいですし、やりがいを感じますね」。

小さなSUVから大きなSUVまで。街乗りメインのユーザーも本格派アウトドアマンも納得できる車をずらりと揃えているのが、現在のジープなのだ。

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PHEVもオンライン企画もチャレンジ精神から生まれる

ジープ「レネゲード 4xe(フォーバイイー)」
日本初導入となる「レネゲード 4xe(フォーバイイー)」。前輪に動力を供給するためのガソリンエンジンと、後輪専用の電気モーターで構成される、プラグインハイブリッドシステムを搭載する。電気のみ使用の「エレクトリック」モードでは約50km(欧州参考値)の走行が可能。今秋より全国のジープ正規ディーラーにて販売される。

’20年秋、ジープの新たな挑戦を具現したモデルが登場する。「レネゲード 4xe(フォーバイイー)」、ブランド初となるプラグインハイブリッドだ。

「とはいえ単に『ハイブリッド車が出ました』というのではジープが造る意味がありません。私たちのアイデンティティでもある4輪駆動の性能、すなわち機動性の高さを追求した車です」。

従来の1.3Lエンジンに電気モーターを組み合わせ、馬力と瞬間的トルクをアップ。走行開始から約50kmまでは、電気モーターのみでの走行が可能だ。つまり近所の買い物や子供の送迎程度ならば、ガソリンを使うことはないというわけだ。

基本性能の向上と環境への配慮を両立した、“身体も心も気持ちのいい車”なのである。この新たな「レネゲード 4xe」を含め、ジープというブランドには僕らをワクワクさせる何かが備わっているように思う。

「好きな道具を積み、気の置けない仲間たちや家族を乗せて、知らない場所へ積極的に出かける。ジープとならどこへでも行ける、そう思っていただけたら最高ですね」。

今の時代は便利で、公式ウェブマガジン「Real Style」にて、そんなジープファンたちのリアルな姿を目にすることができる。ぜひ検索してご一読あれ。

「協賛している植樹プロジェクト『プレゼントツリー』をはじめとした各種イベントで、多くのジープオーナーと交流してきました。手前味噌ですが誰もが気さくで、本当にいい人たちばかり。

でもコロナ禍の現在は、リアルなイベントが実施できません。そこで今後は、オンラインでのオーナー同士のコミュニティを強化していきたいと考えています。

かつてジープのオーナーたちは、すれ違うときに“ジープ・ウェーブ”と呼ばれるピースサインを交わしました。SNSができるずっと以前から、価値観を共有するオーナーたちは自然発生的にコミュニケーションを取り合っていたのです。新しいコミュニティサイトの名前ですか?もちろん、“ジープ・ウェーブ”にしたいと思っています」。

 

加瀬友重=編集・文

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