乗りたかったのは、キブンが乗るクルマ Vol.161
2020.10.15
CAR

PHEVは走りがツマラナイはウソ。BMWが示す次世代の駆け抜ける歓び

「駆け抜ける歓び」。BMWが追求し続けるこのテーマは、パワートレインや駆動方式が進化しても、変わることなく根付いている。それは車の電動化が進んでも同じだ。

PHEVの「X5」。

2014年に電気自動車の「i3」と、ハイブリッドスポーツである「i8」を日本に導入するなど、早くから電動化に積極的な姿勢を見せていたBMW。

2015年9月には旧型の「X5」に2L直4ターボに電気モーターを組み合わせたPHEV「X5 xDrive40e」を追加、同年12月からデリバリーをスタートした。

ガソリンエンジンをFRで操ることにBMWらしさを感じている人からすれば、大容量バッテリーとモーターという重量物を搭載しているPHEVは、軽快な走りが楽しめないのではと思うかもしれない。

しかしBMWのPHEVはそんな心配を一蹴する。

「X5」。PHEVでは重量物を低い場所、しかも車体中央付近に配置することで、重量バランスを整える。
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PHEVに「駆け抜ける喜び」はあるのか?

SUVのようにボディが大きく全高が高い車だと、その効果は一層際立ってくる。重量物が低い位置にあることで重心が低くなり、コーナーでの安定感が増す。直進時もしっとりと重厚感がある走りを味わえる。

もちろん重量は重くなるが、モーターによるアシストが入るので軽快な加速を堪能できる。

ご存じの通りモーターはアクセルを踏み込んだ瞬間から最大トルクを発揮する。エンジンだけのモデルよりも格段にレスポンスよく走れるので、SUVはPHEVのほうが「駆け抜ける歓び」を一層味わえると言っても過言ではないだろう。

2019年2月に登場した現行型「X5」。同年12月にPHEVが追加された。

そんなBMW SUVのPHEVで注目したいのが先述した「X5」の、次世代型である現行車だ。

先代の「X5 xDrive40e」が2L直4エンジンだったのに対し、3L直6エンジンを搭載。モーターを合わせたシステム最高出力は290kW(394ps)、システム最大トルクは600Nm(61.2kgm)に。

これだけのパワーがあれば2500kgという車両重量などものともせずに走れるのは言うまでもない。

バッテリー容量は先代が26Ahだったのに対し、68Ahに拡大。一充電あたりのEV走行距離は約80kmになる。

高速道路での渋滞中にステアリングから手を離した状態で先行車を追従するハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能や、直近50mのルートを記録して必要なときにはこれまでドライブしてきたルートに沿ってステアリングを自動的に操作しながらバックするリバースアシストも搭載しているのも心強い。

大型のデジタルディスプレイを採用した「X5」の運転席。
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より扱いやすい「X3」のPHEV

もうひとつの注目モデルが、2020年4月に追加された「X3」のPHEV「X3 xDrive30e」。

「X5」のプレミアム性は魅力的だが、5mに迫る全長と2mを超える全幅は都市部だと扱いにくいと感じる人もいるはずだ。

「X3」は全長4720×1890×1675mmと、「X5」に比べたらかなり扱いやすいサイズになる。一充電あたりのEV走行距離は44km。

「X3」。パワートレインは最高出力135 kW(184ps)/最大トルク300N・m(30.6kgm)を発生する2L直4エンジンとモーターを組み合わせる。

システム最高出力は215kW(292ps)、システム最大トルクは420N・m(42.8kgm)。「X5」ほどではないが、日常のEV走行から荷物をたくさん積んで出かける週末のロングドライブまで、さまざまなシーンでPHEVらしい走りを堪能できる。

高速道路でもモーターのみで静かに走行できるのもPHEVならではだ。

PHEVは外部から車に充電して大容量バッテリーに電気を貯えるシステムを備えている。当然ユーザーは自宅に充電システムを設置することを考えるから、戸建に住んでいないとPHEVに乗るのは難しいと考えがちだ。

だが、走行中に自ら発電してバッテリーに電気を貯えられるし、バッテリーの電気を使い切ったとしてもエンジンで走れるのもPHEVのメリット。そう考えると、PHEVはもっと気軽に楽しめるはずだ。

モーターが加わったことで、「駆け抜ける歓び」を新たなステージに押し上げたBMWのPHEV。

SUVならそのフィールドはオンロードにとどまらない。「X5」や「X3」のPHEVなら、BMWらしい「駆け抜ける歓び」をより強く感じられるのは間違いない。

 

高橋 満=文

# BMW# PHEV# SUV
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