乗りたかったのは、キブンが乗るクルマ Vol.113
2020.06.29
CAR

元祖SUVから生まれた初代「チェロキー」。これぞアメ車な圧倒的魅力は未だ健在だ

「人気SUVの初代の魅惑」とは……

ジープ:初代「チェロキー」

ジープ「チェロキー」と言えば、見慣れた“カクカク”ボディを思い起こす人が多いだろうが、実はそのモデルは2代目から。

初代チェロキーは、ジープ「ワゴニア」のリーズナブルなバージョンとして登場した。型式から「SJ型チェロキー」と呼ばれる。

初代「SJ型チェロキー」
初代「SJ型チェロキー」。ピックアップトラックベースのため、当時多かったステーションワゴンより車高が少し高い。

ベースとなった「ワゴニア」は、軍用車から派生したジープから1963年にデビューした。ざっくり言えば、同時に発売されたジープのトラック(グラディエーター)と同じラダーフレームにキャビンを載せて、当時高まってきたレジャー志向に対応したステーションワゴンだ。

ちなみに世界で初めて4WDとATを組みあわせた車でもある。そのため、「ワゴニア」をSUVの元祖とする人も多い。

ジープ「ワゴニア」
こちらはジープ「ワゴニア」。アメリカの雑誌で「四輪駆動のシャンパン」と評されたとか(例えが微妙だが、つまりはゴージャスな四駆ということ)。イギリスで「レンジローバー」が生まれる(1970年)7年前に登場した車だ。

当時悪路に強いステーションワゴンは画期的で、オートマの4WDだから簡単に郊外のオフロードも走れてしまうし、前後ベンチシートだから3+3の6人が乗れる。

全長約4.7m、全幅約1.9mのフルサイズワゴンゆえ、スーパーへの週1回の買い出しに出掛けてもたっぷり載せられるとあって、「ワゴニア」は大人気となり、28年もの長きにわたって生産された。

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アメ車の魅力と実用の融合で大ヒット

こうしたなか、「ワゴニア」はさらにラグジュアリー志向を高めていくが、一方でメーカーとしては「ワゴニア」に手が届かない若いファミリー層の獲得もしたいところ。そこで1974年に開発されたのが、初代「チェロキー」というわけだ。

中身は「ワゴニア」と同じながら、ラグジュアリーな「ワゴニア」に対して、若者にウケるようスポーティなイメージを強調するため、当初は2ドアのみだったのが最大の特徴だ。

写真は「SJ型チェロキー」のグレードのひとつ、「チーフ」。

インテリアでも“スポーティ”を強調するため、運転席と助手席の座面はそれぞれ、座面の端が少しせり上がったバケットシートに。運転席と助手席に挟まれた真ん中は、狭いながらもフラットな座面があるので、「ワゴニア」同様、前席3人+後席3人の6人乗りだ。1977年には4ドアモデルも追加された。

そして1984年、日本でも大ブレークした2代目「XJ型チェロキー」が登場。SJ型のトラックベースを離れ、当時としては画期的なユニフレーム構造となり、サイズも、フルサイズのSJ型の全長約4.7mから、約4.2mにグッとコンパクト化された。

2代目となる「XJ型チェロキー」。SJ型の名残りから、XJ型でも当初は2ドアモデルも用意されていた。写真はその貴重な「XJ型2ドアチェロキー」。

日本に輸入された当時、ちょうどRV(レクリエーショナル・ビークル)ブームが高まっていたこともあり大ヒットした。ちなみに「チェロキー」が生まれたことで、「ワゴニア」はここからさらに高級なSUV志向へ邁進すべく、「グランド・ワゴニア」へと進化していく。

それにしてもヨーロッパや日本でスポーティなコンパクトハッチバックを3ドアに、実用モデルを5ドアとして分けて作ることがあるけれど(最近はすべて5ドアが多い)、アメリカ人は全長5m近くのSUVでも2ドアを作ってしまうというワイルドさ。そのスケール感がまた、古いアメ車の魅力なのだ。

「人気SUVの初代の魅惑」とは……
今はまさにSUV興隆の時。戦後、軍用車をベースに開発した車をルーツに持つSUVは多種多様な進化を遂げ、今や世界中で愛されている。そして、どのSUVにも当然、初代がある。そこには当代が持たない不動の魅力があり、根強いファンがいる。彼らを夢中にさせる“人気SUVの初代の魅惑”を探ろう。上に戻る

籠島康弘=文

# SUV# ジープ# チェロキー# 初代
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