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2019.09.29

「70年代、西海岸の風が吹くから」15年経っても手放せないエルカミーノ

俺のクルマと、アイツのクルマ
男にとって車は名刺代わり。だから、いい車に乗っている人に男は憧れる。じゃあ“いい車”のいいって何だ? その実態を探るため「俺よりセンスいいよ、アイツ」という車好きを数珠つなぎに紹介してもらう企画。

■8人目■
「US」代表 植村 肇さん(45歳)

古き佳き時代のアメリカンヴィンテージを軸に、ライフスタイルを提案するショップ「US(アス)」を2000年にオープン。以来、自ら現地での買い付けを行い、大好きな車やバイクといったモーターカルチャーとリンクしたアイテムから、現代の東京のストリートを反映したスタイリングまでを揃え、多くのファンを抱える。http://shop.us2000.jp

■植村さんの愛車■
シボレー・エルカミーノ

GMがシボレーブランドで販売していた2人乗りのピックアップトラックの1966年モデル。初代は’59年にクーペである同社のインパラをベースに開発された。’64年にはベース車をシェベルに変え、さらに’68年、’73年、’78年とベース車両を変えながら作られてきたが、’87年モデルを最後に生産が終了した。


【写真15点】「15年経っても手放せないエルカミーノ」の詳細写真をチェック 

初めて見たときから、もう決めていた

1980年代半ば、植村さんがまだ小学校の高学年の頃だ。当時すでにBMXに乗っていた従兄弟のお兄さんがいたという。

見たこともない自転車を自在に操るそのお兄さんから聞く海の向こうのカルチャーは、植村さんの心を鷲掴みにした。
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まだアメリカンカルチャーを扱う雑誌があまりなかった頃だ。従兄弟のお兄さんがこの映画が面白いと言えば見に行き、このバンドが最高だと言えばCDを聞いているうちに、次第に自らも情報を集めるようになった。

なかでも西海岸のファッションに興味を抱いた植村さんは、服飾系専門学校を卒業後、大手セレクトショップに就職。その後有名古着ショップを経て、26歳で独立した。



自ら立ち上げたUSの買い付けで、ロサンゼルスを中心に駆け回るようになってから、何度も現地で目にしたのが、シボレー・エルカミーノだという。

おそらくほかの車のほうがもっとたくさん走っていたはずだが、「何度も目にした」と口にするのは、それだけLAを走るエルカミーノがカッコ良く映ったのだろう。

「確かにとにかくカッコ良かったんです(笑)。仕事が軌道に乗ったら、いつか買おうとそのときから決めていました」。

そして独立から4年後、30歳になった植村さんに、その時がやってきた。「なんとかお店もたくさんのお客さんに来てもらえるようになって、頑張った自分にご褒美ですね」。



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