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2022.06.26

ファッション

夏仕様「パタゴニア」スラックスを激写! NYでゲットしたSHIPSバイヤーの宝物


「業界のパタゴニアン・パパラッチ」とは……

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春夏のパタゴニアのボトムスといえば、何と言ってもバギーズである。

ただ、リラックスはしたいが、時に襟元を正したり、時に威厳を醸したりしたいこともある。そんな瞬間にもぴたりとハマる一本を、シップスのバイヤーである岡部邦彦さんはお持ちらしい。

岡部邦彦●シップスのメンズカテゴリーのバイイングを担当。国内外を飛び回りながら得た見識の深さは業界随一で、気鋭ブランドにも興味津々。最近ではキャンプにもハマり中で、パタゴニアは父親の影響から付き合いはだいぶ長い。

岡部邦彦●シップスのメンズカテゴリーのバイイングを担当。国内外を飛び回りながら得た見識の深さは業界随一。最近ではキャンプにもハマり中。


知る人ぞ知る、モンベルとの良好な関係性

「子は父の背中を見て育つ」とは古くから残る格言だが、それを地でいくのが岡部さんだ。



「パタゴニア好きなのは、父の影響が強いですね。中学の頃、父が愛用していた30年前ぐらいのパタゴニアのショーツをもらいました。バギーズのようなシャリっとしたものではなく、コットンキャンバス地のチョー“短パン”です(笑)。

もともと父はパタゴニアとモンベルを愛する人で、いろいろ持っていたんですよ。この時季になると、パタゴニアのショーツにラコステのポロシャツを着て、足元はサンダル……というのが正装でした」。

アメリカ発のパタゴニアと、日本が生んだモンベル。一見、共通点は”アウトドア”くらいに見えるが、実は両者の絆は深い。



「モンベルの社長とパタゴニアの社長は、以前からすごく仲が良いと周囲から聞いています。昔は、日本でパタゴニアを広げるため、モンベルが代理店となってパタゴニアを仕入れていたんですよね。

当初は反応も薄かったようですが、徐々に支持を拡大したことで、『じゃあ、今後は分けて運営していったほうがいいんじゃないか』ということで、パタゴニアジャパンが設立されたようなんです。父が両ブランドを好きな理由も腑に落ちますよね」。

我々が海外へ行って現地でしか手に入らないモデルをこぞって購入するように、海外の方は日本を訪れた際、率先してモンベルを購入するという。そんな両者の背景を聞くと、さらに胸がアツくなるではないか。


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パタゴニアらしくない!? 凛々しい長パン

父からの影響もあり、若い頃からパタゴニアとともにあった岡部さん。

今でも夏はほとんどがバギーズという根っからの“パタゴニアン”である。そして近年、バギーズと同様に登板回数を増やしているのがこちらのボトムスだ。



「2018年の夏だったかと思います。ニューヨークにある弊社オフィスに出向いたとき、そこのスタッフがグレーの涼しそうなパンツをはいていたんですよ。最初見たときはパタゴニアのものとは思わなくて。

『どこのですか?』って聞いたら『パタゴニアだよ!』と。その日の仕事後、近くの店舗へすぐに買いに行きました(笑)」。



このパンツについて、岡部さんは「日本で売ってるかは定かではありませんが、少なくとも僕は見たことがありません」という。

麻に加えてリサイクルポリも混成されているため、リラックス感がありつつ、見た目はいたってモダンである。



「麻が入っていますから、通気性が抜群にいい。しかも、麻って基本的に伸びないじゃないですか。でもこれにはストレッチが入ってて、はきやすく蒸れにくい。シワになってもまあ麻ですし、そこまで気になりません。

しかも、この独自のウエストベルトシステムが実に気が利いていて、構造はいたってシンプルですが、自由にフィッティングの調節が可能なんです」。

春夏のパタゴニアといえば、どうしてもショーツのイメージが強すぎて、あまりロングパンツに走る人は少ないかもしれない。しかし、大人目線で見れば、このロングパンツはかなり重宝すると岡部さんは絶賛する。




「極端な言い方をすると、ウールパンツのようにはけるからいいんですよね。ちょっとしたラフなジャケットにも合います。これにスニーカーもいいですし、ローファーとかにも合わせられます。着まわしが利くのも助かりますね」。


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地球を愛する、実にパタゴニアらしいバッグ

さらに岡部さんは、出張へ行くたびによく集めているものがあるという。それが、このバッグコレクション。



「これは日本で売っていないんですよ。すべて”アップサイクル in カリフォルニア”ていうレーベルなんですけど、おそらくお客さんから回収した中古品を再利用しているものなんですね。

よ〜く見るとこれ、全部パーツがバラバラなんです。生地だけじゃありません、タグもジップも、ウェアなどに付いていたものを取って再び付け直しているんですよね。

なので、同じものはひとつとしてない。これがまた、ちょっとした小物入れにすごく便利で、いつも出張へ行く際には利用し、またお土産として新しいものを買ってくるんです」。

まさに自然を愛し、環境保護にも積極的なパタゴニアを象徴するコレクションである。




「やっぱり古いので、ところどころ剥離した部分もありますけど、リーズナブルですし、問題ないですね。このサイズ感がまた絶妙で、パスポート入れにもちょうど良い」。

ほかにも、ハワイだけ、アメリカだけといったご当地モノにも目がなく、行くたびに欠かさず購入しているという。

昨今、海外渡航は激減し、歯がゆい思いをしている人も多い。ただ、少しずつ落ち着きを取り戻しつつある状況で、岡部さんは来るべきタイミングを心待ちにしている。

その日がくれば、きっとトランクの中をパタゴニアでパンパンにして帰国するに違いない。

伊藤恵一=写真 菊地 亮=取材・文

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