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すべての写真を見る東京五輪の銀メダリスト、サーフィンの世界大会「CT(チャンピオンシップツアー)」10年連続出場。
現在進行形で超人的な結果を残しているプロサーファー、五十嵐カノア。自然相手のエクストリームスポーツで、何よりも必要なことは「Wellness」だと断言する。
2026年のCT、始まりの地・オーストラリアへ向かう前のカノアが語ったこと。
「日常のすべてが、ウェルネス。それくらい自然なこと」

「おはようございます。では、後ほどよろしくお願いします」そう言うと五十嵐カノアさんはサーフボードを抱え、ウエットスーツで身を包んだしなやかで強靭な体躯を揺らしながら、砂浜を滑るように駆け抜けた。日の光を浴びるその姿は、神々しくも温かみのある静かな存在感を放っていた。
千葉県鴨川市の東条海岸に位置する、通称“マルキポイント”。近隣に存在した「マルキ食堂」に由来するという同地は、屈指のサーフスポットとして知られている。この日は「波乗りジャパン強化合宿」が開催されており、早朝から多くのサーファーで賑わっていた。
入念にストレッチを済ませ小走りで入水すると、あっという間に波間へ溶け込んだ。気温8℃、波のサイズは腰〜腹(コシハラ)と標準サイズ。カノアさんの登場を知らされていなかったギャラリーも、類いまれなライディングを目の当たりにし、たちどころにその存在を知ることに。
ファンからの撮影のリクエストに気さくに応じるなど、世界を舞台に戦うトップサーファーでありながら、距離の近さは驚くほど自然。彼がいかにサーファーから愛されているかが伝わる。海から上がりインタビューを開始しても、物腰の柔らかさは変わらない。
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「ウェルネスなルーティンは、習慣であることを忘れるくらい私にとっては自然なことです。フィジカルのケアでは週3〜4回サウナに入りますし、水を飲むことも大事な習慣のひとつ。あと起床後、最初の30分をルーティンの時間に充てています。瞑想、読書、ストレッチ……。
その日に体が何を欲しているか自問して実践していますし、日常のすべてがウェルネスにつながっています」。
ウェルネスを意識するものではなく、生き方として実装しているとでもいおうか。だからこそ、整えようとしなくても自然と“いい状態”でいられる。だが、そんなカノアさんにもスランプはある。「常にアップダウンの繰り返しですよ」と、子供のように屈託のない、キラースマイルを浮かべながら続ける。
「調子が悪いときは、無理やり直そうとはしません。『この状況はいつまで続くのかな』と思いながら、身も心も任せて一緒にその波に乗る感じ。無理にどうにかしようとすると、もっとスランプに陥る。生きていればいいことも悪いこともありますから」。
28歳とは思えない静かで落ち着き払った佇まい。泰然自若とした思考や振る舞いは海から学んだという。
「波はいつ来るかわからないし、焦って乗ろうとしても無駄なエネルギーを使うだけ。であれば、タイミングを待っていい波が来たときにスイッチを入れるほうがいいパフォーマンスができる。それは日常でも同じで、例えば新たな仕事を始めるにあたり相手からの連絡を待っているとして、実際に返信がなければ、変に気を揉んでも意味がない。今できることに集中することの大切さを海から学びました」。
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