「赤信号」の理屈と、洗脳される純粋さ

序盤の山場は、学校での銃乱射テロでしょうね。チャーリーと同じ高校に通うゲイルという少年が出てくるんですが、彼はもともと動物解放を訴えて、学校でひとり、動物のためのデモをやっていたんです。

で、悲しいけど、周囲の生徒からはバカにされてたんですよ。「お前も種差別をしないって言うなら、サバンナに行ってライオンに『シマウマを食べるのをやめなさい』って注意してこいよ」なんて笑われるわけです。
でも、そのときのゲイルの反論が……。
ゲイル …うんざりだ
周囲の生徒 なにぃ?
ゲイル 赤信号は止まれ だ。本当にそんなこともわからない? 赤と青の間に明確な境界線を示せなくたってドライバーは赤信号を無視しない。なぜなら無視すれば人を轢き殺しかねかいとわかってるから。簡単な理屈だよ。
(中略)アリやキャベツの意識について明確にわからなくても、牛が苦痛を感じてることは明確にわかるだろって言ってるんだよ。それともまさか 君の飼ってる犬は吊るされても切り刻まれても苦しまないとか信じてるの?
……この正義感が、学校での銃乱射事件というテロに結びつくんですよね。まぁ、これもマックスが焚き付けたんですけど。この銃乱射テロというのも、アメリカという舞台設定だからこそリアルに感じるというか。

その後、ゲイルは涙ながらにチャーリーに訴えます。
ゲイル チャーリー! なぜ君は…なぜそんなに無関心なフリができるんだ!? なんで人間たちと仲良くなんてしてるんだ!?
ヒューマンジー…君こそが進化論の生きた証拠で…声なき動物たちの代弁者じゃ…なかったのか…?チャーリー…唯一君だけが ヒトとヒト以外の動物の間の…真の架け橋となれる存在なのに――――!
チャーリー なんでみんなボクをボク以上の何かだと思うのかな。ボクはなんの代弁者でもない。ただの一匹の動物。ただのチャーリーだよ。
……この温度差。苦しいですよね。周りが勝手にチャーリーに期待して、勝手に失望していくっていう。でも、チャーリーはチャーリーで正論ですからね。
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