連載「漫画、般若。」とは……劇場版の公開に合わせ、般若が満を持して取り上げたのは『チェンソーマン』だ! 暴力的な描写も少なくない作品だが、ただのバトル漫画では片付けられない意味深なテーマをはらむ。主人公デンジに般若が共感せざるを得ない理由とは――。
※以下『チェンソーマン』全22巻のネタバレあり。 ▶︎すべての写真を見る
『チェンソーマン』(集英社 ジャンプコミックス)原作・藤本タツキ。『週刊少年ジャンプ』にて2018年12月から2020年12月まで第1部が連載され、2022年7月からは『少年ジャンプ+』で第2部が連載中。累計発行部数は3500万部を突破し、2022年10月にはテレビ東京系列でアニメ化。9月19日から劇場版『チェンソーマン レゼ篇』が全国で放映中。
タランティーノ作品よりぶっ飛んだ世界

はい、来ましたね〜。『チェンソーマン』。
メジャーなのにここまで暴走してる作品、他にある?っていうくらいの漫画です。正直『週刊漫画ゴラク』(*1)に紛れ込んでても違和感ないくらい。マジで。
素人風情がいうのも何ですが、絵の上手さで人気を得ている漫画かというと、そうでもないんですよ。むしろ絵の荒々しさみたいなものが、暴力描写に迫力を与えてるんだろうなって思ってます。
まぁ、主役がとにかくイカれてます。タランティーノの映画をもっと酷くした感じですね。もはやゾンビ映画の世界観に近いかもしれない。
(*1)1968年創刊の老舗青年漫画誌で、任侠・裏社会・グルメ・仕事・人情など、大人の日常に寄り添う硬派な作品を多数掲載。団塊〜バブル世代に親しまれてきた歴史があり、長年の固定ファンがいる。 2/4