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「地動説」という難解なテーマを扱いながら、“面白すぎる”として口コミで人気が爆発した異色の漫画『チ。―地球の運動について―』。
連載開始は2020年と比較的最近。作者は現在27歳、“若き天才”と呼ばれる魚豊氏。令和を代表する漫画に対し、般若の反応やいかに。
※以下『チ。』全8巻のネタバレあり。 「中世に生まれなくてよかった……」
『チ。―地球の運動について― 』(小学館 ビッグコミックス)原作・魚豊。『週刊ビッグコミックスピリッツ』に2020年9月から2022年4月まで掲載され、第26回手塚治虫文化賞のマンガ大賞を受賞。2024年10月5日からはNHK総合でアニメ放送中。27歳の作者は「知性と暴力」「善悪と功罪」といった人間社会の本質を突くテーマを選ぶことが多く、“若き天才”と呼ばれている。
『チ。』はアニメ化もしてますが、僕は漫画のほうで読みました。この作品……衝撃しかなくないですか? 登場人物のセリフも、パンチラインの応酬ですよね。
主人公っていう主人公はいなくて、巻が進むごとに時代が進んで、主人公も変わっていくというスタイル。
一貫しているのは、人の思いがずっと繋がってるっていうこと。天動説が信じられていた中世ヨーロッパを舞台に、地動説を研究したことで迫害された異端者たちの想いが、時を超えて受け継がれていきます。
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でもまぁ、「マジで中世に生まれなくて良かった〜!」って感じですよ。
『チ。』の舞台は中世ヨーロッパで、C教という宗教が絶対的な正義なんです。背いた人間は異端者として容赦なく弾圧されるんだけど……もう1巻の2ページ目からいきなり拷問シーンですよ。
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しかも、やり方が尋常じゃない。指の爪を剥がす、生きたまま火あぶりにする、口に鉄の器具を押し込む……。
冒頭から衝撃が大きすぎて、読み終わるまでずっとゾワゾワしてました。こいつら本当に同じ人間か?っていうヤツしかほぼ出てこない。
ちなみにタイトルの『チ。』っていうのは、「大地の地」「血液の血」「知性の知」のトリプルミーニングになっています。
2/5