「カレー人類学」とは……スパイスカルチャーを知り尽くした男、カレー細胞。世界中のカレー店を渡り歩き、その数、ついに5000軒を突破!
そんな彼が「2026年、これは絶対にきますよ」とアツく語る名店とは? 刺激的な3つのキーワードから、“次世代カレートレンド”を読み解こう。
【写真13点】「2026年の“カレートレンド”を専門家が大胆予想!」の詳細を写真でチェック
案内人はこの方!
カレー細胞●カレーキュレーター。日本全国はもちろん、アジア・アフリカ・南米に至るまで、5000軒以上のカレー店を渡り歩いてきた。カレーカルチャーの振興に向けた活動を精力的に行っている。雑誌やWeb連載のほか、「マツコの知らない世界」(TBS)などTV出演多数。映像クリエイターとしての顔も持つ。
初っ端から恐縮ですが、実は「カレーブーム」ってないんです。言わずと知れた“国民食”ですから、今年流行って来年は廃れる⋯⋯というのはまずあり得ません。
カレー界に起こるのは、ブーム=一過性の熱ではなくて、長期的な“トレンド”。3年、5年とじっくり時間をかけて、食文化が色濃く形成されていくのです。
その意味で、2026年も要注目なのは「カツカレー」。海外で独自のスタイルに発展していたり、ネオな逸品がぞくぞく誕生していたりと、
この連載でも「いかにカツカレーが盛り上がっているか」をご紹介してきました。
そんなカツカレー、今年はさらに「自由」になると思います。
トレンド① カツカレーはもっともっと“自由”になる!
これまでご紹介してきたとおり、カツカレーは昔ながらの「大衆食堂、時にはホテルや洋食レストランで食べられるもの」というイメージを脱して、最先端のカレーカルチャーと急接近しています。
スパイスカレーやインドカレー、そうした枠組みを飛び越えて、あらゆる要素を巻き込んでいく。そうした飛躍と飛翔が、2026年、より加速していくはずです。
例えば、大阪・長堀橋の「セイロンカリー」なんてすごく面白いですよ。
バナナの葉を思わせるグリーンを基調とした店内が印象的な「セイロンカリー」。
スリランカ出身のシェフが腕をふるう、現地の味を楽しめる大人気店なんです。正真正銘「スリランカカレー」のお店なのですが、なんと日本生まれのカツカレーも食べられちゃう。
毎週水・木曜日は「カツカリー」の日。「カツカリー」日本米1180円、バスマティスライス1380円、辛増し100円。
お店の方曰く、目指したのは「大阪カレー」。この地域で親しまれている「入口は甘く、後半はスパイスが立ち上がる」味わいを、スリランカのスパイスとフルーツ、甘味料のジャグリーを用いて組み上げています。
小麦粉は一切使っておらず、すりおろしたじゃがいもによって、自然な粘度と口当たりを生み出しているのもお見事。しかもスリランカにはカトレット(コロッケ)をはじめとした揚げ物文化が根付いているので、カツカレーの文脈にも違和感なく接続できるのです。
カツカレーを幼い頃から愛してやまない日本人にも、「日本食としてカツカレーを味わってみたい」というインバウンドの欲求にも応えられる懐の深さです。
カツカレーが誕生してから78年、今やスリランカのシェフも作り手になるなんて、裾野が一気に広がっているのを実感します。
海外のエッセンスすらも取り入れながら、“日本の国民食”はぐんぐん成長しているわけです。
もはやカツカレーにタブーなし!
先人たちの背中に「あ、こんなこともやっていいんだ!」と勇気をもらった若いシェフたちが、より斬新な一皿を世に送り出していく。
2026年は、誰も食べたことがないネオ・カツカレーに出合えるのではないかと期待しています!
2/3