連載:俺のクルマと、アイツのクルマ男にとって車は名刺代わり。だから、いい車に乗っている人に男は憧れる。じゃあ“いい車”のいいって何だ? その実態を探るため、数々の車好きに話を伺っていく企画。
【写真16点】「亀田大毅亀が愛車「三菱トライトン』と追う“夢”」の詳細を写真でチェック
リングを降りた後も、亀田大毅は止まらない。視力を著しく損ない、運転をやめたその日から、見据える景色はジムの未来になった。
“日本一のボクシングジム”を夢見て、選手とスポンサーの間を走り回る年間300日の営業稼働。自ら運転することはないが、車は今日もジムのために西成の街を走り続ける。かつて“浪速乃弁慶”と呼ばれた男が歩む、第2章の物語である。
■74人目
亀田大毅(36歳)

1989年生まれ、大阪市西成区出身。元プロボクサー。リングで倒れないタフネスさから”浪速乃弁慶”と呼ばれていた。2010年にWBA世界フライ級王座、2013年にIBF世界スーパーフライ級王座を獲得。2015年、左目の網膜剥離により引退。現在は地元の西成で「KWORLD3ボクシングジム」の会長を務める。YouTube@kamedadaiki instagram@daikikameda3
「三菱トライトン」
耐久性と信頼性を極限まで磨いたラダーフレームに、大型ボディと高出力のクリーンディーゼルエンジンを搭載。SUV並みの快適性とピックアップトラックに求められる堅牢性を兼ね備えた一台。7つのドライブモードで様々な路面状況で高い走破性能を実現。大毅さんが選んだカラーは”ヤマブキオレンジメタリック”。
あの“弁慶”を思わせるような、揺るがぬ存在感

元ボクシング世界2階級王者の亀田大毅さん。現在はボクシングジムの会長として活躍中の彼が“ヘビー級“と称したのは、「Power for Adventure」というコンセプトのもとで開発が進められた、三菱自動車「トライトン」だ。
悪路も難なく走破する4WDで、ドデカいタフなボディを持つ1トン級のピックアップトラックは、現役時代の愛称”浪速乃弁慶”を彷彿させる。


「世界チャンピオンになってすぐの頃はメルセデス・ベンツのゲレンデとか、いわゆる憧れのゴツい車みたいな車種に乗ったりもしました。そういう文脈でいえば、頑丈で目立つ車が好きなのかもしれません。
この『トライトン』はとにかくデカくて、色も派手だから目立つ。ナンバーも亀田家のお決まりのセリフ『サイコー(3150)』からとっているので、うちの車やってすぐわかってもらえる。これに乗ってたら西成の街で悪いことできへんっすよ(笑)」。

「荷台も大きくて荷物がたくさん乗るし、めっちゃ気に入ってますね。選手一人が試合に出るだけでも、セコンドが3人、僕を入れたら4人。それにグローブやらミットやら練習で使う道具もたくさん。『トライトン 』のおかげで移動はかなり楽になったけど、僕はもう運転はしないから……」。

強い衝撃が原因で目の網膜に穴が開き、最悪の場合は失明に至る「網膜剥離」。多くのトップボクサーが、この怪我に苦しみ引退をしてきた。
危険を顧みず、持ち前のタフネスでどんな相手とも真っ向から打ち合うファイトスタイルで世界2階級を制覇した大毅さんも例外ではなかった。
ハンドルを握るのを辞めた日、戦う側からサポートする側へ
ジムに飾られていた、武蔵坊弁慶を模したコスチュームで入場する現役時代の大毅さん。
1年間で4度の手術をしたが左目の視力は0.1までしか戻らず、26歳という若さで現役を引退。視力が低下してから、大毅さんは車の運転もキッパリと諦めた。

「これまでボクシング一筋で打ち込んできた分、これから何をしたら良いのかわからなかった」。
突然の引退により先のビジョンも見えなくなってしまった大毅さんだったが、引退してしばらくして、兄の興毅さんが会長を務めていた「3150ファイトクラブ」のトレーナーに就任する。
現在は「KWORLD3 ボクシングジム」に名称を改めジムの会長に。ボクサーとして戦う側から、ボクサーを支える側へと立場を変えた。

「ジムの会長は選手の育成や試合のマネジメントをするのが一般的やけど、僕のメインの仕事は営業。年間300日は外回りしてます。こんな会長、他にはおらんと思いますよ」。
その営業力は凄まじく、去年の4月まで10社ほどだったスポンサーの数は、現在は90社以上にまで増えた。ジムの全国勝率ランキングも常にトップ。
この「トライトン」も、興行のスポンサーとしてお世話になったディーラーから購入を決めた。

「人って、何かしてもらったらうれしいし、恩返しをしたくなるやないですか。だから、どうしたら相手が喜んでもらえるかを常に考えながら営業する。今はそれがめっちゃ面白いんですよ」。
営業の秘訣を聞くと、返ってきた答えは非常にシンプルだった。「人がめっちゃ好きなだけなんです」。自らデビュー戦のポスターを描いたり、リング上で熱唱といった現役時代のパフォーマンスの数々も、すべてはその延長線上にある。

「僕は頑張ってギリギリ世界チャンプになれたレベル。それでもお金をもらう以上は、たとえ自分がピエロになったとしても、お客さんを喜ばせてなんぼやから。賛否はあると思うけど、僕はボクシングはエンタメでいいと思ってるんです。
そういう意味でもトライトンはアイコニックやから、お客さんへのパフォーマンスとしても、素晴らしい車だと思ってるんですよね」。
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