日米のHIPHOPシーンが深く繋がった年
2025年は、日米のHIPHOPシーンが大きく繋がった年でもあった。まず、現在の日本のHIPHOPシーンをリードする存在である2人、千葉雄喜とAwichがアメリカの大物アーティストとコラボを果たした。その注目度は計り知れない。
千葉雄喜はBig Sean(ビッグ・ショーン)とのコラボ曲『Ski Ga Ski(隙が好き)』を10月17日にリリース。トレンドを取り入れたシンプルでかっこいいビートの上に、アメリカでも大物のラッパーであるビッグ・ショーンと引けを取らない素晴らしいラップを乗せた。千葉雄喜が世界でも戦えることを証明してくれた曲なのだが、リリックでも「隙がある方が好き」と歌っているように、普通は緊張をするはずのコラボで、余裕を魅せるカリスマ性はとにかく圧巻である。
Awichはカンフーなどの東洋の文化を取り入れた9人組の強面ライミング集団として知られるWu-Tang Clan(ウータン・クラン)のリーダーであるRZA(リザ)と組んだアルバム『Okinawan Wuman』を11月21日に発表し、ジョーイ・バッドアスやウエストサイド・ガンなどの豪華客演も迎えた。これらのコラボレーションは、日本とアメリカのHIPHOP界を結ぶ重要な架け橋となり、歴史に爪痕を残した。
さらに、BAD HOPのメンバーであるYZERR(ワイザー)によって10月に開催されたHIPHOPフェス「Force Festival 2025」では、フューチャー、セントラル・シー、ポロ・Gなどのアメリカのトップアーティストと、多数の日本のHIPHOPアーティストが一堂に会するという歴史的なイベントが実現した。このフェスは、日米のHIPHOPシーンにとって、未来を切り開く大きなステップとなった。
曲のコラボや特大フェスなど、日本の現役ラッパーたちの大きな動きが確実に世界に向かっているのが感じ取れた。個人的にも期待と希望を持てる素晴らしい年だった。ちなみに、Awichも千葉雄喜もグラミー賞を狙っていると発言していたので、その実現も待ち遠しい。
3/3