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2025.12.28

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2025年HIPHOPニュースをSGDが解説!千葉雄喜&Awichが世界で活躍、国内でビーフ勃発etc.


「HIPHOP Hooray feat.SGD」とは……
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2024年はケンドリック・ラマーVSドレイクのビーフが世界的にも話題になったが、今年はそんなラップによる争い=ビーフが日本のHIPHOPシーンでも繰り広げられていた。

2025年、HIPHOPシーンで起きた印象的な出来事をShotGunDandy(ショットガンダンディ)さんが振り返る。
案内人はこの方!
ショットガンダンディ(ShotGunDandy)●HIPHOP翻訳家。幼少期から沖縄で育ったマルチリンガルのアメリカ人。HIPHOPの深い知識を活かして楽曲の和訳やスラング、メッセージやリリックの意味などをYouTubeなどで解説し話題を呼んでいる。ビートサンプラーバトル「King of Flip 2023」ではベスト4入り。Instagram:@shotgundandy  X:@ShotGunDandymk3

ショットガンダンディ(ShotGunDandy)●HIPHOP翻訳家。幼少期から沖縄で育ったマルチリンガルのアメリカ人。HIPHOPの深い知識を活かして楽曲の和訳やスラング、メッセージやリリックの意味などをYouTubeなどで解説し話題を呼んでいる。ビートサンプラーバトル「King of Flip 2023」ではベスト4入り。Instagram:@shotgundandy X:@ShotGunDandymk3


皆さん、いかがお過ごしでしょうか? ShotGunDandy参上です。

さて2025年も終わろうとしているが、年々時間の進みが早く感じられるのは私だけだろうか? 今回は、2025年のHIPHOPシーンに起きた変革を振り返り、日米両国の動向を深掘りしていこう。
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ラップスキルや内容重視。HIPHOPに起きた大きな変革



2025年は、HIPHOPシーンにとって重要な転換点となる年だった。1990年代後半から続いた、金、セックス、ドラッグといった物質主義的なテーマの楽曲が主流を占める時代が、ついに変わり始めたのだ。

もちろん、楽しむためにHIPHOPを聴く消費者が多いため、物質主義的な要素が売れることは必然だった。しかし、そんな中でも文化としてのHIPHOPを守りながら活動を続けてきたプレイヤーたちは常に存在し続けてきた。

長い間コンシャスな内容を歌うアーティストにはスポットライトが当たりづらい状況が続いていたが、2024年、ケンドリック・ラマーが物質主義的な内容の多いドレイクにビーフで勝利し、その後の流れが大きく変わった。これにより、「深い内容とスキルを持つラッパー」が再び注目され、商業的にも成功する新たな潮流が生まれたのである。

ハーフタイムショーのステージでラップを披露するケンドリック・ラマー。この日着用していたデニムは「セリーヌ」。

ハーフタイムショーのステージでラップを披露するケンドリック・ラマー。この日着用していたデニムは「セリーヌ」。


その象徴が、2025年2月9日の「スーパーボウル」でのハーフタイムショーでケンドリック・ラマーが史上初めてラッパーとして単独ライブを行ったことだ。しかもそのパフォーマンスの内容はエンタメ性よりもメッセージ性に溢れたストーリー仕立てのものであり、HIPHOPのみならず、全米に大きな影響を与え、物質主義的な内容ではなく、コンシャスでスキルフルなラップがメインストリームでも大衆に絶賛されることを証明したのである。

▶︎詳しい内容はこちらをチェック!

これ以外にも、NASが経営するMass Appeal Recordsからは、90年代を代表するアーティストたち(スリック・リック、デ・ラ・ソウル、モブ・ディープなど)のアルバムが次々とリリースされて注目を集めたことや、2025年のグラミー賞「ベスト・ラップ・アルバム」にもケンドリック・ラマーやJID、タイラー・ザ・クリエイターといったラッパーたちのアルバムがノミネートされたことなど、以前と比べてコンシャスでスキルフルなラッパーの作品が強かった年でもある。

一方、アメリカで最も権威のある音楽チャート、ビルボードの「ホット100」では、35年ぶりにHIPHOPの曲がトップ40に入らないという現象が起き、アメリカ国内では「HIPHOPの低迷」を指摘する声も多かった。しかし、これにはビルボードの仕組み変更が影響しているほか、物質主義的なテーマの曲が売れなくなったに過ぎないという見方もある。


さらに、リスナーの年齢層が上がる中で、金、ドラッグ、セックスだけをテーマにした楽曲に飽きが来たというのも大きな要因だ。結果として、今、HIPHOP界は1980年代後半~90年代中盤の黄金期に似た、「ラップスキル」や「内容」を重視する時代に突入しており、この大きな変革が進行中である。
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