自然と読書のための実験的イベント
また、会期中には、読書と自然への思考をさらに深める体験型イベントも開催される。参加には事前申し込みが必要となるので、詳しくは
特設サイトを見ていただければ幸いだ。
・日々の自然を考える朝 歩く・走る・観察する

走ったり、歩いたり、止まったり。速度が変わると、見えるものや感じることが変わる。そのとき自然や街、社会はどう見えるのか? 走って歩いて写真を撮って、私たちを取り巻く環境はどんなものなのか、さまざまな話をする会。藤代きよさん(エディター、木星社)、矢野太章さん(エディター、Takram)を講師に、ゴールドウインが選書した約800冊の本から、自然と人間をテーマにしたおすすめの本も紹介する。
・街の音風景を記録するフィールドレコーディング体験

風の音、葉擦れ、鳥のさえずり、車の走行音、工事現場の音、人々の笑い声。普段意識の外にある「街の音」に耳を傾け、録音するフィールド・レコーディングのワークショップ。
講師にフィールド録音作家・柳沢英輔さんを迎え、スマートフォンを使って街のさまざまな音を記録します。さらに集めた音をイベント会場で一斉に再生して、ひとつの「音楽」を編み上げます。さまざまな環境音が混ざり合う街の響きに耳を澄ませば、都市における「自然」の新たな姿が見えてくるだろう。
・自然観を巡る読書会

参加者それぞれが選んだ一冊を起点に、「なぜその本を選んだのか」「何を感じたのか」を共有する対話型セッション。講師はブックディレクター・編集者の山口博之さんが務める。
・シドニー発ロースター「Single O」のコーヒー

会期中は、環境配慮とトレーサビリティを重視する「Single O」のコーヒーが数量限定で振る舞われる。自然を考える時間に、静かに寄り添う一杯だ。

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この書店は、単なるブランディング施策ではない。ゴールドウインが「つくる責任」と「伝える責任」の両方に向き合おうとしている証明でもある。
服をつくる。売る。着る。捨てる。
そのすべての循環のもとである自然と、もう一度きちんと向き合うために、この書店は存在する。観察することは、関係を取り戻すことでもある。静かにページをめくる時間が、未来の選択を少しだけ変えていくかもしれない。