海全体を楽しむための「体験の場」へ

リニューアル後の原宿 オーシャンストアは、モノを売る場所から体験を共有する場所へと変貌。サーフィンを軸にしつつ、ウィングフォイル、アウトリガーカヌー、フリーダイビングなど、さまざまな海のアクティビティを網羅した「カルチャーハブ」を目指している。
「これまで、ウインドサーフィンやSUP、ヨットなど、海のアクティビティはバラバラでした。 でも、海という共通項でみんなをつなげたい。 ストアを“ハブ”として海を楽しむ人々が交わる場所にしていきたいんです」。
定期的に行われるトークイベント「スピーカーシリーズ」では、アスリートやクリエイター、研究者など多様な“オーシャンピープル”が登壇し、 海との関わりや環境について語る。「語り合い、気づき、行動が生まれる場」としての役割を担う。
環境保護を説くだけでなく、「まず海を楽しもう」というのがパタゴニアの姿勢。遊びを通じて自然を知り、好きになることこそ、保全の第一歩だという。
「子どもたちに海で遊ぶ体験をしてもらうと、怖さも知るけれど楽しさも知ることができる。 その体験が守りたいという気持ちにつながります。だから大人も一緒に、海に出てほしいんです」。
川上さんが語る「体験」は、ブランドのフィールドプログラムにも反映されている。全国のプロガイドと連携し、参加者がリアルな海洋環境に触れながら学ぶ機会が提供される。例えば、砂浜でのマイクロプラスチック観察や、サンゴ白化現象を現地で見るツアーなど、 「体感から始まる意識変革」を狙う。
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