コンパクトで手に馴染むフォルムは人間工学に基づいたもの。総画素数2100万画素(有効画素数1700万画素)の4/3型CMOSセンサーと、「ライカDCバリオ・ズミルックス f1.7-2.8/10.9-34mm ASPH.」のズームレンズを搭載。コンパクトフラッシュ付属。4K動画も撮影可能。「ライカD-LUX8」H69×W130×D62mm。28万6000円/ライカ 0570-055-844
「藤井隆行の視点。私的傑作批評」とは…… ▶︎
すべての写真を見る 昔は、海外旅行にはいつもデジタルカメラを持参していました。フジフィルムだったりリコーだったり、一眼レフだったりコンパクトカメラだったり。いろいろ買って使い比べて、あとで必ず現像もしていました。
昔のデジカメはメモリーカードの容量が限られていたので、シャッターを押すにも緊張感があった気がします。それがいつしかスマホで撮るようになり、カメラロールに保存もできるのですっかり現像をしなくなりました。
「写ルンです」の時代は27枚しかないフィルムを大事に使い、現像した写真をワクワクしながら見たものです。カメラの形態によって、思い出の残し方も変わるなあと感じますね。
写真学科に通う娘は昔のフィルムカメラに興味があるようで、「コンタックスT2」を買ったり、1980年代に流行った京セラのハーフカメラ「SAMURAI」で作品を撮ったりしているようです。
彼女の世代は、わざわざ古いiPhoneをフリマアプリで入手して、あえて画質の悪い写真を楽しんでいるとか。過去のツールで個性を追求しているのが面白いですね。
それで僕も、久しぶりにカメラを持ちたいと思い、自分への誕生日プレゼントとしてライカのデジカメを買おうと目論んでいます。
ライカの良さはまずデザインが優れていること。赤いロゴの位置や丸みあるフォルムなどが絶妙で、クルマで例えるならポルシェみたいな立ち位置。
口コミによれば原色がきれいに出て、同時にモノクロームでも美しいコントラストが出せるとか。f1.7まで絞れるので背景がきれいにボケる、つまり雰囲気のある写真が撮れるようです。
撮ったらすぐにスマホに送れて、SNS用の画角に切り替えができるのも今どきです。もし買ったら、旅行に持っていって街や風景を撮りたいですね。とかいって犬の写真ばかり撮っていたらどうしよう(笑)。
まずは娘に、絞りや露出などの基本をきちんと教わるところから始めようと思います。
藤井隆行●東京を代表するブランド、ノンネイティブのデザイナーで、ファッションからライフスタイルまで一貫したこだわりを持つ。「2026年春夏コレクションの展示会が終わり、ようやくひと息。涼しくなってきたことだし、旅行でもいこうかな」。
OCEANS12月「本物だけが欲しいのだ!」号から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック!