ソウルとソウルがつながる瞬間こそ、音楽の本質
©︎RHYTHM AND RIDE
――最後になりますが、今改めて音楽を続ける上で大切にしていることは何でしょうか?キャリアや実績なんて、結局は後からついてくるものにすぎないと思うんです。それより大事なのは、年を重ねて自然とつくりあげられる人柄の良さ。肩書きやお金ではなく、「人として信頼できるかどうか」が一番大事なんですよね。
2000年以降は、派手な言葉や見せ方だけでのし上がる軽さが目立つ時代でした。でも最近は皆んなが、それらに中身がなかったことに気づき始めている。失敗や苦労を乗り越えて得たものにこそ嘘がなく、人間らしさや心の豊かさが宿るんです。
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僕自身も、そうした心の部分を音楽で表現したい。ライブでよく口にする「ソウルパワー」って、まさにそのことなんです。飾らず繕わず、本当の自分の魂を音楽でぶつける。そしてお客さんの心を開いてもらい、一緒に体験する。
地位やキャリアを超えて、人と人、ソウルとソウルが音楽を通じてつながる、感じ合う瞬間こそが最も大切。その瞬間を最も体現できるのがフェスだと思います。上手くいくときもあれば、そうじゃないときもある。でも、それでも続ける価値があるんです。
――力強く、温かい言葉をありがとうございました。ちょっとアツく語りすぎちゃったかもしれませんね、カットさせてもらうかも(笑)。ありがとうございました。
田島貴男(たじま・たかお)
1966年東京都生まれ。1991年、オリジナル・ラヴ(現:Original Love)としてメジャーデビュー。1995年以降は田島のソロユニットとして活動し、代表曲に『接吻』『朝日のあたる道』『プライマル』などがある。ソウル、R&B、ジャズ、ロックンロールを背景に、色気あるグルーヴと人生を感じさせる深みをあわせ持つサウンドで、日本の音楽シーンに独自の存在感を放つ。デビュー34年を超える今も、観客との一体感を大切に活動。