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大自然に溶け込むガラス張りの「モダニズム建築」

東京から車で約3時間、伊豆半島ユネスコ世界ジオパーク内を歩けば、大自然の中から浮かび上がるように、ガラス張りの美しい一棟貸しの宿が現れる。1960年代に物理学者とフランス文学者の夫婦が構想したモダニズム建築が美しい「Izu Cliff House」だ。
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Izu Cliff House/住所:静岡県賀茂郡南伊豆町伊浜487、電話:050-5805-3143、料金:スイートルーム1棟5万9000円(2名まで。3名以上5名まで1人9900円プラスで宿泊可。税込み)~(写真:Izu Cliff House)

Izu Cliff House/住所:静岡県賀茂郡南伊豆町伊浜487、電話:050-5805-3143、料金:スイートルーム1棟5万9000円(2名まで。3名以上5名まで1人9900円プラスで宿泊可。税込み)~(写真:Izu Cliff House)


前面、天井、側面までガラス張りなので、自然の中でそのまま暮らしているかのような感覚を覚える。目の前に広がるのは、駿河湾。60万年前の火山岩の海岸線がはるか遠くまで伸びる、人工物がまるで見あたらない原風景に臨む。「南から来た火山の贈り物」とされる同ジオパークの景色を満喫できる。

デッキからは駿河湾が一望できる。ハンモックもあるので大海原を眺めながらゆったりと過ごせる(写真:Izu Cliff House)

デッキからは駿河湾が一望できる。ハンモックもあるので大海原を眺めながらゆったりと過ごせる(写真:Izu Cliff House)


建物内も大自然と調和するような丁寧な設えだ。木工作家による一本楠のデイベッド、手づくりの木綿布団、倉敷の宮大工が作るヒノキ材スツール兼コーヒーテーブルなど、宿の至るところでも自然の恵みを感じられる。

和室があるのもうれしい(写真:Izu Cliff House)

和室があるのもうれしい(写真:Izu Cliff House)


食事は、南伊豆の海の幸、山の幸をスーパーや道の駅で買い込んで、海に張り出した広々としたウッドデッキでバーベキューをするのがおすすめ。オイルマッサージやヨガのセッションも予約できるので、静けさの中で五感を研ぎ澄ますひとときを過ごすのもいいだろう。海と空と大地の美しさを眺めながらただただ過ごせば、日頃の疲れもリセットされるはず。
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また、周辺は手付かずの自然が残る場所なので、カヤックにサーフィン、ハイキングと遊ぶ選択肢も豊富だ。車で20分ほどの場所には、下賀茂温泉、南国リゾートのように美しいヒリゾ浜などがあり南伊豆の大自然を楽しんで温泉にゆっくり浸かることができる。

大地が生み出したトンネル(左)、太古の時代にタイムスリップしたかのような手付かずの地形でカヤックを楽しむ(右)(写真:Izu Cliff House)

大地が生み出したトンネル(左)、太古の時代にタイムスリップしたかのような手付かずの地形でカヤックを楽しむ(右)(写真:Izu Cliff House)


食事処やスーパー、道の駅など地元食材を買える場所もあるので、現地の雰囲気を楽しむには車があるといいだろう。

豊かな食や良質な温泉、「火山の恵み」を存分に味わう

11万年前の噴火の後にできたカルデラ湖「洞爺湖」と、活火山「有珠山」などがある、変動する大地「洞爺湖有珠山ユネスコ世界ジオパーク」。剥き出しの岩や、荒々しい噴火の跡から火山の迫力を感じられるダイナミックな場所だ。

火山灰の平らな台地は良好な耕作地であり、良質な湯が出る。そんな火山の恩恵を受け、人々が自然と共生してきた場所に2023年オープンしたのが、「洞爺湖 鶴雅リゾート 洸(ひかり)の謌(うた)」。5万6000平米の広大な敷地に佇み、山々に囲まれた美しい洞爺湖を望む。

 洞爺湖 鶴雅リゾート 洸の謌/住所:北海道有珠郡壮瞥町壮瞥温泉88-26、電話:0142-82-7165、料金:7万2600円(2名1室2食付き 税サ込み)~(写真:洞爺湖 鶴雅リゾート 洸の謌)

 洞爺湖 鶴雅リゾート 洸の謌/住所:北海道有珠郡壮瞥町壮瞥温泉88-26、電話:0142-82-7165、料金:7万2600円(2名1室2食付き 税サ込み)~(写真:洞爺湖 鶴雅リゾート 洸の謌)


館内は、複雑に組まれた木の天井が美しい水のラウンジや、「洸」をイメージした暖炉のある火のラウンジ&バーなど自然を感じる空間が広がる。この地でアイヌの人々が独自に築いてきた文化には、大自然のあらゆる事象が神から授かり神に戻るという“自然との共生”が根底にある。宿にはそんなアイヌの人々の世界観を表現した版画や絵画などもちりばめられ、さながら美術館のようだ。

館内にはアイヌの世界観を表現した作品が多数(左上)、洸をイメージした格子の暖炉がある火のラウンジ&バー(右上)、エントランス横の大きな水盤に浮かんでいるかのような水のラウンジ(下)(写真:洞爺湖 鶴雅リゾート 洸の謌)

館内にはアイヌの世界観を表現した作品が多数(左上)、洸をイメージした格子の暖炉がある火のラウンジ&バー(右上)、エントランス横の大きな水盤に浮かんでいるかのような水のラウンジ(下)(写真:洞爺湖 鶴雅リゾート 洸の謌)


洞爺湖を望む客室や、温泉露天風呂付きの客室、愛犬と一緒に泊まれる客室、北海道や自然をコンセプトにしたデザイナーズルームなど、宿泊者のニーズに合わせた個性豊かな客室が揃う。

北海道の文化や自然を感じられるデザイナーズツイン(写真:洞爺湖 鶴雅リゾート 洸の謌)

北海道の文化や自然を感じられるデザイナーズツイン(写真:洞爺湖 鶴雅リゾート 洸の謌)


夕食は和食会席かフレンチコースを選べる。火山灰の台地でできた果物や、隣接の洞爺湖町や伊達市の野菜、噴火湾産タラバガニ、洞爺湖和牛、蝦夷鮑などこの地ならではの味覚が並ぶ。素材そのものの味を大切に調理された季節の味をこれでもかというほど堪能するのだ。

夕食はフレンチコース(左)と和食会席(右)を、好みで選べる。大浴場(下)では、有珠山の火山活動の恵みがもたらすなめらかな湯でリラックス(写真:洞爺湖 鶴雅リゾート 洸の謌)

夕食はフレンチコース(左)と和食会席(右)を、好みで選べる。大浴場(下)では、有珠山の火山活動の恵みがもたらすなめらかな湯でリラックス(写真:洞爺湖 鶴雅リゾート 洸の謌)


洞爺湖らしいアクティビティも楽しみたい。例えば、底まで透明なクリアカヌーをこぎ、カルデラ湖にそのまま浮かんでいるような体験をするのはいかがだろうか。ホーストレッキングで湖畔や林間を軽快に駆け回るのもいい。また、冬には車で1時間のニセコエリアで、スノーラフティングなど豪快に雪遊びをして、開放的な時間も過ごせる。

クリアカヌーは洞爺湖にそのまま浮かんでいるかのような体験ができる(写真:洞爺湖 鶴雅リゾート 洸の謌)

クリアカヌーは洞爺湖にそのまま浮かんでいるかのような体験ができる(写真:洞爺湖 鶴雅リゾート 洸の謌)


慌ただしい日々に疲れを感じている人こそ、ぜひジオパークでの滞在をお勧めしたい。太古の地球から生まれた地形の中に佇むと、大自然への畏敬の念が湧き上がり、自身の存在の小ささを感じることだろう。大自然に身を委ね、風を感じ、光を浴びて土地の味覚に舌鼓を打つ――ここで過ごす一瞬一瞬が五感を満たし、身体の底から力がみなぎってくるに違いない。


神谷 加奈子=文
東洋経済オンライン=記事提供

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