OCEANS

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「実は、洒落てる」それが一番格好良い



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――ここからはコーディネイトのこだわりを教えてください!

尾形 基本的には「好きなモノを着る」に尽きますよね。そんなに派手なのは着ないですから、周りからはベタって言われますけどね。

でも、系統も好きなブランドも、若い頃から全然変わってないんですよ。もうガッツリ、ストリート。それもあってか、ぴったりなサイズ感のものは着ないですね。割とゆとりのあるシルエットの方が好きかもしれない。
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――かなり尾形さんに似合っていますね。

尾形 いやいやいや、そんな大したことないです。僕が思うに、普段はそんな素ぶりをいっさい見せないのに実は洒落てる、それが一番格好良い。狙って表現するもんでもないですし。

収録時の衣装はスタイリストさんにすべて任せていますから、せめてプライベートは自分の好きなモノを着ようかなと。なので、ステューシーだとか古着とかは必然的に多くなります。

ブランドも別にこだわってないですし、今の流行りとかもそこまで詳しいわけじゃないですから。




――好きなモノが変わらないのは、ストリート畑で育ってきた方に多いですよね。

尾形 中学からサッカーをやっていましたけど、スケボーも少しかじっていて。そのスケボーをやっている先輩たちがすごく格好良かったんですよ。で、高校になると今度は友達がDJを始めて。

となると、もうそっち方面にハマっていきますよね。こんなイケてるカルチャーがあるんだってワクワクしましたもん。



尾形 そうこうしているうちに仙台でも裏原が流行り、NOWHERE の唯一の姉妹店、ANYWEREもできました。グッドイナフ、アンダーカバー、エイプ(A BATHING APE)、ラストオージー、フォーティーパーセント(40% AGAINST RIGHTS)……。

そのあたりの服をどうしても手に入れたくて、親に「サッカースパイクを買う」って嘘ついて、そのお金で買ってました。サッカーの練習は出なければいけないので、授業をサボって買い物し、それから練習に行くのがお決まりでしたね。

※ 原宿にあったNIGOさんと高橋 盾さんが手がけていたショップ。裏原カルチャーの中心的役割を担った。


撮影中、ファンの男の子たちから声を掛けられ、気さくに撮影に応じる尾形さん。

撮影中、ファンの男の子たちから声を掛けられ、気さくに撮影に応じる尾形さん。


――古着もそのときからお好きなんですか?

尾形 憧れは間違いなくありました。リーバイスのセカンドとかずっと欲しかったですから。中学の修学旅行が東京だったんですけど、貯めに貯めた14万円を持って行きセカンドだけ買って帰ってきたんですよ。12万8000円。以後、ずっとそれを着ていましたね。大学で東京に出てきたときも着ていました。ただ、クラブで盗まれて……。

――あちゃ〜、最悪ですね……。

尾形 今あったらな〜。もうそれ以来買ってないです。今じゃもう高くて高くて。




――古着以外で今狙っているアイテムはあるんですか?

尾形 やっぱり高校のときから憧れていたギャルソンですかね。昔はヴィンテージデニムをはいて、ギャルソンのシャツを着るのが一番格好良いと思っていたし。





――今日はお時間のないなか、ありがとうございました!

尾形 またファッション企画があったらぜひ呼んでくれれば! もちろん今度は事前に相談のうえお願いしますよ。サンキュー‼︎


当時、ストリートムーブメントの熱気にあてられその道をひた走っていたOC世代は決して少なくない。ストリートブランドの乱立、スニーカーブーム、ヴィンテージトレンドetc.。

そんなカルチャーが見直されて久しい昨今。尾形さんの話を聞いていると、’90年代の熱狂と高揚が舞い戻ってくるかのようだ。当時を思い出し、再びあのブランドたちに袖を通してみるのも悪くないだろう。

佐藤ゆたか=写真 菊地 亮=文

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