「境界なんて、なくていい。自分を着て、生きていく」
――剛さんは、音楽だけでなく演技やファッションなど、多彩な表現をされていますよね。その中で、表現者としてのアイデンティティで大切にしていることは?ファッションでいえば、昔は「レディース」と「メンズ」ではっきり分けられていましたよね。サイズもS・M・Lとかで区切られていて、フリーサイズなんてほとんどなく、今のようなSDGs的な考え方もあまり浸透していなかった。
僕自身、体が華奢なので「レディースの服も着られるな」と思って着てみたら意外と似合ったんです。それで「じゃあレディースとメンズをMIXして着てみよう」と、昭和の頃からそういう着こなしを楽しんでいました。


今はその“境界”がどんどん薄れていて、ファッションって本当に自由に楽しめる時代になったなと思います。ちなみに、今日の衣装も「『ジョジョの奇妙な冒険』をモチーフに、えげつない服を作りたい」とオーダーして仕立ててもらったんです。そういう“ちょっととがった遊び心”を入れるのも楽しいんですよ。
僕自身は、あまり人や物事を「あなたはこう、僕はこう」と区別したくないタイプなんです。
だから、ステージに立っていても、「こうあるべき」という“正解”の立ち位置をとるよりは、もっとフラットな感覚でいたいなと思っています。
©GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary
――ステージと観客の“距離”を感じたくないっていうのは、剛さんらしいですね。僕も“奈良から出てきたただの人”なんですよ。地方で生まれて東京に来て、今この生活をしている。東京生まれの人だって、今を生きているという意味ではみんな同じだと思うんです。
でも、ステージの上にいる人と、観客として会場に来てくれている人との間には、どうしても“距離”が生まれてしまう。もちろん、それをうまく使ったエンタテインメントもあると思うんですが、僕はむしろ、そういう境界を全部取っ払って、ひとつになって楽しめる時間を届けたい。
――「一方的な表現」じゃなくて「共有する体験」を大事にしてるんですね。音楽やファッションのように自分で組み合わせたり、ゼロからつくるものは、やっぱり自分の直感を信じたい。
たとえ世の中的に“変”だとか、“ダサい”と言われるようなものだったとしても、自分の感覚を恐れずにアウトプットする。それが、僕が大事にしてきたことなんじゃないかと思います。
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