渡辺真史●1971年、東京都生まれ。ベドウィン & ザ ハートブレイカーズのディレクター。ローカルとインターナショナル、2つの視点で東京をクルージング。
▶︎
すべての写真を見る最寄りの池尻大橋駅から徒歩で約10分という立地ながら、無二の味わいを求める人々で行列をつくる人気中国料理店。
夏限定の「冷やし葱そば」を筆頭に、「エビチャーハン」や「辛いソバ」、日替わりメニューなどすべてが絶品。
澄んだ空のように青い瓦と、食欲をそそる赤い看板が目印。路地裏にポツンと佇む「鶏舎」の店主、長谷川淳さんを訪ねる。
「鶏舎」
渡辺 この辺に事務所を構えていた頃はよく通っていて。お世辞抜きで、何を頼んでも本当に美味しい。大体のメニューは食べました。
長谷川 ありがとうございます。場所柄か、アパレル関係のお客様は多いですね。みんなギラギラしていて、パワーがある。格好いいよね。
渡辺 当時は知る人ぞ知る名店という感じで、出前も届けてもらえた。でも今や、行列が日常茶飯事。「冷やし葱そば」が登場する夏は特にすごい賑わい。行列は苦手ですが、あの味はほかにないし、並ぶしかない。
長谷川 もともとは、冷やし中華の具材を揃えて並べる手間を省こうとしたメニューなんだけどね。やってみたらこっちも意外と大変で、あまりの人気でもっと忙しくなっちゃった(笑)。でも、ありがたいことです。
渡辺 面倒はイヤと言いながら絶対に中途半端なことはしないし、できない。繊細な味だけでなく、清潔感のある店からもそんなこだわりが伝わります。長谷川さんは早くから料理人を目指していたんですか?
長谷川 父がテーラーだったので、僕も最初は同じ道を目指したんだけれど、当時は安価な服がどんどん出始めて。そういう服を着る人が多くなった。飲食のアルバイトを高校生の頃から六本木でしていたし、なら、料理で勝負しようかなって。
渡辺 どちらの店でしょう?
長谷川 もう移転されましたが、「紫金飯店」という店です。
2/2