渡辺真史●1971年、東京都生まれ。ベドウィン & ザ ハートブレイカーズのディレクター。ローカルとインターナショナル、2つの視点で東京をクルージング。
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すべての写真を見る 渋谷・明治通り。ゆく川の流れのような諸行無常の領域に、釣り具店「サンスイ 渋谷店 パート2」は堂々と佇む。
明治35年4月に渋谷で創業し、現在は上野や池袋など都内で複数店舗を運営。ギアはもちろん、オリジナルのアパレルグッズも充実する。
あらゆる釣り人のニーズに全力で応えるプロショップの運営統括責任者 中村篤人さんを訪ねた。
「サンスイ 渋谷店 パート2」
渡辺 こんにちは。釣り具をしっかり見るのは三鷹を流れる野川で遊んでいた小学生の頃以来で、この店のラインナップの豊富さに驚きました。
中村 ここパート2は、僕が担当している店舗で1階がトラウト、2階がバス専門。海釣り用のアイテムを扱う隣のパート1など、それぞれ取り扱いが異なります。
渡辺 すごい世界だ。例えばルアーだけでも、何種類あるんでしょう?
中村 正直、数え切れません。ただ、「ないものがない」を目指していた頃とは違い、今は「自分が欲しい道具」を揃えています。結局それが、自信を持ってすすめられる商品です。
渡辺 1902年創業と伺いましたが、当初から釣り具の取り扱いを?
中村 創業者の木村駒三郎は、もともと盆景が趣味でした。盆景用品を扱う流れで、仲間内で流行していたタナゴ釣り用の道具も仕入れ始めました。とにかく遊びが大好きだったのでしょう。ちなみに「サンスイ」という店の名前は、彼の盆景家としての号「三水」に由来します。
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