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2025.03.30

所有台数は17台!でもほとんど乗らない!? 買い物好き大富豪 ラムダン・トゥアミの“車選び”の視点

パリ中心部のヴァンドーム広場地下の駐車場を借り、ベントレーやベンツのGクラスなど17台の車を置いている。ただしほとんど乗らず、月に2回ほどメンテナンスのために動かすだけ。

パリ中心部のヴァンドーム広場地下の駐車場を借り、ベントレーやベンツのGクラスなど17台の車を置いている。ただしほとんど乗らず、月に2回ほどメンテナンスのために動かすだけ。


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大の日本好き&買い物好きなラムダン・トゥアミ氏。

フレグランスブランド“ビュリー”を売却し、何でも買える大富豪になった彼が、それでも欲しいモノは何なのか?そして、そのモノ選びの哲学とは?

ランチアの「フラミニア・ザガート」

これは1961年製のランチア「フラミニア・ザガート」という車だ。
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“ザガート”はイタリアを代表する車のボディをデザイン・製造するアトリエで、60年代にザガートが造った車はどれも惚れ惚れするくらい素晴らしい。敬愛するデザイナー、エルコーレ・スパーダ氏の仕事だ。

この車はかなりレアで、世界に20台くらいしかない。知人から買ったから市価よりはだいぶ安く買えたけど、今売ったらパリに小さなアパートが買えるくらいにはなるね。

今、車は17台持ってる。でももちろん17台も車は必要ないし、そもそも俺はいつも自転車に乗っているからパリじゃ車には乗らないんだ。

アストンマーチンとベントレーも持ってるけれど、常に何台かは壊れていて修理に出している。奥さんは「なんでこんなに持っているのかまったく理解できない」と言うけれど、俺だって理解できないよ。
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デザイナー、エルコーレ・スパーダ氏は、アストンマーチンの「DB4 GT」やアルファロメオの「SZ」 も手掛けた。このクルマはラムダン氏が20代前半の頃からずっと欲しかった憧れの車だ。

デザイナー、エルコーレ・スパーダ氏は、アストンマーチンの「DB4 GT」やアルファロメオの「SZ」も手掛けた。この車はラムダン氏が20代前半の頃からずっと欲しかった憧れの車だ。


選ぶ基準も自分じゃうまく説明できない。例えばここ40年の日本車で好きなのは日産の「パオ」とトヨタの「2000GT」。傾向も法則もない。

ただひとつ言えるのは、走破性とか燃費みたいな実用性には興味がない。造形美の素晴らしさに惹かれてしまうんだ。

そして欲しかった車を手に入れた瞬間、もう次の車のことを考えてる。「もしかしたら依存症かも」と不安になるよ。
ラムダン・トゥアミ●1974年、フランス生まれ。香水ブランド、オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーを立ち上げ成功に導き、その後LVMHに売却し富豪になる。趣味は買い物。特にヴィンテージの家具に目がない。

ヤン・ガリン=写真 前田亮介=文

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