先輩に頼み込んで譲ってもらった唯一無二の501

小島さんの情熱は凄まじく、これまで数えきれないほどのリーバイスに足を通してきた。今、エースとして活躍するのが、こちらの「501」だ。

「僕は身長168cmと小柄で細身。自分に合う1本がなかなか見つかりにくいんです。もともとこのデニムは、僕が唯一“兄貴”と慕う地元の先輩の愛用品。1年前に僕がひと目惚れし、頼み込んでなんとか譲ってもらったんですよ。

ちなみに先輩とは今も一緒に会社を運営しています。あの前澤友作さんと一緒にZOZOTOWNを立ち上げた人間でもあるんですよ」。



先輩が愛用していた年数も含めると10年以上も前のシロモノ。藍の色味は程よく残り、端正な趣をその身に宿す。しかもこの絶妙なサイズ感とシルエットだ。



「腰回りやわたりには程よいゆとりがありますが、ダブつきはなくキレイなレッグラインを描きます」。

ゆえに合わせやすさもひとしおで、今回はトラッカージャケットとのデニム・オン・デニムに、ダブルのライダーズを羽織った。ヘビーウェイトだが、ゴテゴテして見えないのはデニムの美シルエットのおかげかもしれない。

デニムパンツ、デニムジャケット＝ともにリーバイス　レザージャケット＝ポータークラシック　シューズ＝オールデン

「デニムは色みが残っているので、あえて色落ちしたトラッカージャケットを合わせて抜け感を作りました。このトラッカージャケットも実は思い出深い逸品。僕が20歳ぐらいの頃、何気なく入った柏の古着店に非売品として置いてあったんですよ。

『欲しい』とお願いしたら、サイズ的に小さくて普通の人では着られないよと断られ続けました。どうやらウィメンズサイズだったようですね。ただ、試しに着させてもらったら、入ったんですよ。そこから何日も通い続け、頼み込み、やっとの思いで手に入れました」。



デニムのセットアップだとワーク感が露骨に表れ、野暮ったくなりがち。それを回避すべく、小島さんなりの配慮を加えている。

「マッドな質感のダブルのライダーズで程よく引き締めました。さらに足元は革靴。デニムが凛々しい印象だと、足元にレースアップの革靴を合わせても違和感は感じないんですよ」。