2000年以上かけて作られた棚田に100種類以上のお米!
棚田を見渡せる宿泊先で味わう朝食
翌日は宿のジェフさんにガイドをお願いし、棚田を案内してもらいました。
聞けば、ここバダットの棚田一帯に植えられているお米の品種は100種類以上。写真のように隣り合う稲の種類が違うこともしばしば。米棚は2000年前からこの地で暮らす山岳民族のイフガオ族の手により少しずつ作られ、現在の規模になったようです。
米の膨らみ、ヒゲ、色など同じ稲を探す方が難しいくらいバラエティー豊かに植えられていた。
昨晩食べたお米に色々な種類が混ざっていたのは、そもそも田んぼのときから混ざっていたのでした。
僕の個人的な考えですが、この地に居住するイフガオ族が大昔にインドネシア周辺から渡ってくる際、航路で寄り道した島でお米を少しずつ補給し、フィリピンに持ち込んだからではないかと思いました。もしかしたら当時は米の種類など興味はなく、田んぼに適当に植えられたのかもしれません。

現地の子供たちがお米を炊いていたので見せてもらうと、甘い香りが小屋じゅうに漂っています。年長の子が誕生日でお祝いをするために炊いたようです。炊いたご飯がバナナの葉に置かれているのが南国らしいです。
ケーキを買って祝うより、みんなで育てたお米を食べて祝う。これ以上の幸せはないでしょう。
実はこの地で作られるお米は多くなく、ほかの地域に出荷されることは少ないそう。ほとんどが現地で消費されます。バダットの米はバダットに来ないと食べられないのです。
お店で食べた玄米ご飯。
バダットで食べたお米は玄米を炊いたもので果皮が残っており、シャリシャリ、プチプチした食感があり、噛めば噛むほど甘味が感じられて美味しかったです。もっちりと粘り気のある日本のお米と違って少しパサついているので、ピラフなどに良さそうなお米です。
ちなみに首都マニラのスーパーではインディカ米(長粒種)が売られていて、こちらはパサパサとした食感。インディカ米とバダットの米は形から違います。大衆向けに育てられてる品種とバダットのお米は全然違うようです。
このルソン島北部の山間(コルディリェーラ山脈)に暮らすイフガオ族は、代々傾斜で田畑を管理し、それぞれが家庭を支える分だけの作物を作って生活していた様子がうかがえます。
4/5