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アップサイクルを超える日本の伝統文化 


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ーーお話を聞いてると、日本に対する愛がとても強いと感じます。海外にいると日本のことが俯瞰できるんですか。

ローラ それもあるけど、日本で育っているから、もともと日本は大好き。伝統文化も人も美しい。私の心はその美しさに溶けてます(笑)。だから、失いたくない。その気持ちが年々強くなってるかな。

それに、日本に昔からある知恵には、環境問題を解決する糸口がたくさんあるんです。ありすぎるくらい。
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希子 本当にそうなんです。以前もこの連載でお話ししましたけど、青森の「裂き織」文化は、まさに、今でいう“アップサイクル”。着なくなった浴衣を裂いて、新しい浴衣を織る文化が江戸時代からあったんです。

私が裂き織を教わった80代のおばあちゃんは「前の浴衣よりも美しいものにしなきゃだめよ」って。アップサイクルより先を行ってますよね。



ローラ 金継ぎもすごいと思う。海外にはない伝統だから、そのまま「KINTSUGI」って呼ばれてるんだけど、割れた陶器をくっつけて、そこに金をつけましょうっていう美学が本当に素晴らしい。

私は茶道をたしみますが、「足るを知る」ことも教わりました。サステナブルなマインドを茶道で鍛えてもらってます。

希子 裂き織も金継ぎも日本に昔からあるもの。ヘアオイルに使った茶実油も、昔から髪に使われていたものを再発見しただけ。

今、日本フィーバーですが、日本に残る素晴らしい伝統や文化に海外の人は魅了されているんだと思います。 観光客が溢れかえっているのも、それだけ関心が高いから。
5/5

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