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困りごとを減らしていくには?



このように主に3種類の障害と困りごとがありますが、特性はきっぱりと分かれているわけではなく、グラデーション状になっています。ADHDが強い人、ASDが強い人、または両方やすべての特性を持っている人など、特性は十人十色です。

筆者の場合、不注意優勢型ADHDと算数障害があり、不注意のせいで仕事のダブルブッキングや打ち合わせのすっぽかしなどを頻発し、周りに迷惑をかけてしまったこともあります。また、算数障害では繰り上がり・繰り下がりのある暗算と%の計算ができず、確定申告などの計算は今も全くできません。

発達障害の診断が降りるまでは、自分の不注意によるものだから頑張らなきゃと思い込んでいて、それがとてもストレスでした。
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ただ、今はスケジューリングはリマインド機能のあるアプリで管理し、確定申告などの金銭管理は税理士の方や夫に任せることで、徐々に困りごとが減ってきています。



例えば、支出の計算ができないので、買い物をしたあとはレシートを夫に提出し、使いすぎないようにチェックしてもらっています。家計は“計算が得意”な夫に担当してもらうというわけです。

そして、税理士さんの存在も非常に助かっています。依頼する前は、確定申告を大幅に間違えていて、巨額な損をしていました。今は毎月、領収書やカード明細などを送るだけで、確定申告もぐっと楽になったのです。自分が苦手なことを把握し、信頼できる人や専門家に頼ることも手だと思います。

もちろん、全てが解決したわけではありません。スケジューリングについてはアプリである程度改善したものの、アプリに予定を入れる段階でケアレスミスにより日程や時間を誤ってしまうこともあります。ここは今の私の課題でもあります。

新しい方法を取り入れても、新たに苦手なことが見つかることもある。しかし、自分の特性に合わせた解決策を根気強く探していくことで、より良い生活に近づけるはずです。


当事者の方はもちろん、そうでない人も、この記事を通して発達障害のそれぞれの特性や困りごとについて理解が広まればと思います。

姫野 桂=文
※参考文献『発達障害グレーゾーン』姫野 桂(扶桑社)

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