生活の中で生じるそれぞれの“困りごと”

発達障害と言ってもひと括りにはできず、それぞれ異なる特性を持っています。それにより、生活の中での困りごともまた異なるのです。
ADHDの場合、例えば仕事で日報を書く際に、不注意によるケアレスミスの誤字脱字が多いため完成させるのに人より多くの時間がかかってしまうことがあります。また、忘れ物が多く、ぼーっとしていることもあるため、周りから「やる気がない人」と思われがちです。
多動や衝動性が強い場合、会議中にそのとき話し合っているテーマとは別のことが思い浮かび、衝動的に発言してしまうことも。そのアイデアがどんなに優れていたとしても、周りからは「今話している話題と違うのに何をトンチンカンなことを言っているのだろう」と思われてしまいます。
また、衝動性が強いとその場の勢いで発言して失言してしまい、トラブルの原因になってしまいます。
ASDは、言葉の裏が読めずに、そのまま受け取ってしまう傾向があります。例えば、「ここを適当に片付けておいて」と指示された際、健常者なら、ある程度きれいに片付けるのに対し、ASDの人は本当に“適当”な作業で終わらせてしまう。それにより、周りから「仕事ができない人」扱いされてしまいます。
ほかにも、太っている人に対してストレートに「太っていますね」などと言って相手を怒らせてしまい、他者とのコミュニケーションがうまくいかないこともあります。
また、自分の中で独自のルーティンが決まっているケースが多いです。例えば、「朝起きたらシャワーを浴びて朝食を摂り、新聞を読んでから家を出る」というルーティンがある場合、それをこなしてからでないと外出できません。そのため、イレギュラーなことが起こると遅刻や欠勤の原因になってしまいます。
SLDは学校での勉強でつまずくことが多く、子供のころからコンプレックスを抱えている人がほとんどです。大人になってからも役所から送付される文書が読めなかったり、日常生活でうまく金銭管理ができなかったりします。
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