連載「実録、空き家改造計画」とは……6年前から日本で暮らすスウェーデン出身のファッションモデル、アントンさん。DIY好きが高じて空き家を購入し、素敵な北欧スタイルを取り入れた内装にセルフリフォームをしている。
これまで中古マンションを含め5軒もの家を購入してきたアントンさんだが、日本の中古物件を購入する際に心がけていることがあるという。今回は、2024年夏にリフォームしたばかりの中野ハウスを例に、選びのポイントを語ってもらおう。物件購入を検討中の人も参考になるはず!
【写真12点】「アントンさんの空き家の物件選び」を写真でチェック 案内人はこの方!
アントン・ウォールマン●1992年生まれ、ストックホルム出身。19歳の頃からファッションモデルとして世界をまたにかけて活躍。数回の来日を経て、2019年より日本に移住。日本の空き家を自らの手でリノベーション、セルフビルドした様子をYouTubeでも配信し、2023年、『FREE HOUSES IN JAPAN』を自費出版している。Instagram:@anton.injapan
欧米では家を購入する=新築ではない!
こんにちはアントン・ウォールマンです。日本に住み始めて、はじめに中古マンションを買ってDIYしましたが、ボロボロだった内装を格好良くリノベしたら、またやりたくなっちゃうんですね。それで次に手をかけたのが、中古の戸建物件、日本の空き家でした。
はじめは不動産店に出掛け、家を内覧しました。家を買うためというよりも、僕はそもそもボロボロの家を見ること自体が好きなんです。物件を見ながらどうやって素敵にリノベーションするかを考えるのが楽しいですね。

アントンさんが最近手がけた「中野ハウス」の外観ビフォー・アフター。
前回の記事でもお伝えしましたが、僕の出身地・スウェーデンをはじめ、欧米では中古物件を購入して修繕して住む、というのは当たり前のこと。スウェーデン語では「リフォーム必須(スウェーデン語でRenoveringsbehov)」というフレーズもあり、みんなこのワードで物件を検索するのです。いいエリアに住みたければ必ずというほど中古物件で、基礎が古い家に住むことになります。
僕が育ったストックホルムの家も築120年ほど。まさにリフォーム必須のボロボロの家でしたが、みんな購入してから自分の好みに合わせてリフォームしていくのです。逆に日本人の多くが中古物件を買わないことにびっくりしましたね。
ストックホルムの実家。この状態から自分たちでリフォームして住んだ。写真=本人提供
三軒茶屋の中古マンションを手がけたあとは、同じく三軒茶屋に2軒、そのあとここ中野に1軒を購入して、自分でリノベーションをしましたが、戸建は何年も放置されたいわゆる「空き家」と呼ばれるものです。
家によっては、前の持ち主が住んでいた状態のまま、物がそのままになったところからスタートします。まずは僕がどんなふうに物件を選んでいるか紹介しますね。
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