名店③ 非ご当地のビックネーム「麺屋 鳥見本(六十谷店)」
続いて紹介するのは、「麺屋 鳥見本(六十谷店)」。場所は、JR阪和線・六十谷駅から徒歩7、8分程度。ちなみに六十谷は難読地名だが、「むそた」と読む。
同店は2013年9月、「鶏白湯ラーメン」をメインに提供する店として開業。
「鳥見本グループ」はその後、2020年12月に和歌山市(和歌浦)に「油そば」を提供する2号店、2022年12月に岩出市に「鶏清湯」と「貝清湯」を主力商品に据えた3号店をオープン。2024年現在、和歌山県内に3店舗を展開する、非ご当地系のビッグネームだ。
上述したとおり、「鳥見本(六十谷店)」は「鶏白湯」系の「鶏骨らーめん」の提供からスタートしたが、現在、提供する麺メニューは、「鶏白湯」系の「泥濃鶏白湯(塩・醤油)」、「特濃鶏白湯(塩・醤油)」に加え、「貝清湯(塩・醤油)」、「鶏油そば」、「節白湯つけ麺」など、極めて多彩。いずれの品も甲乙つけがたい完成度を誇るが、初訪問時に実食すべきは、メニューリスト筆頭を飾る「泥濃鶏白湯(塩)」だ。
鶏の骨をしっかりと丁寧に炊き上げたコク深い白濁出汁を、塩カド鋭利なカエシが土台として支え抜くスープは、乳白色の穏やかな見た目とは裏腹に、ひとすすりで強烈なうま味が味覚中枢のド真ん中を貫く、アグレッシブな味わい。
スープの食感が明確に骨っぽい点も、「泥濃鶏白湯」の特筆すべき個性だ。近畿圏に広く浸透する、ソフトな口当たりと上品な甘みを前面に押し出した「泡系鶏白湯」と対極をなす「硬質」な1杯。そのレアリティの高さゆえに、記録のみならず、記憶にも残る食味を演出することに成功している。
スープを過不足なく巻き取り、着実に口元へと運び込む中太麺にも、比類なき頼もしさを感じた。ご興味がある方は、ぜひ一度足を運んでもらいたい。
麺屋鳥見本(六十谷店)住所:和歌山市六十谷18-1営業:11:00~14:30/17:00〜スープ切れ次第終了定休:月曜夜・火曜X:@menyatomimoto 6/6