「地方ラーメン激戦県」とは…… 神戸、
大阪、
京都とラーメン優良店が多く存在する関西エリア。なかでも今回はご当地ラーメンと個性派の名店が点在する和歌山県へ。
ラーメン官僚に今行くべき4店を紹介してもらおう。
【写真15点】「ご当地麺と個性派が楽しめる和歌山市のラーメン」の詳細を写真でチェック 案内人はこの方! かずあっきぃ(通称・ラーメン官僚)●本職は官僚。大学時よりラーメンの食べ歩きを始める。「COWCOWのまるまるラーメン最前線」(BSフジ)、「食楽web」をはじめ、あらゆるメディアでラーメン連載を担当している。年間700杯食べる秘訣は「ラーメン以外を食べないこと」。
和歌山はご当地ラーメンの火付け役
今回は、和歌山市のラーメン事情とオススメ店を紹介する。まず、和歌山市のラーメン事情を簡単に説明させていただきたい。
和歌山市は、和歌山県の北部に位置し、県内最大の人口(約35.4万人)を擁する県庁所在地。紀伊徳川家のかつての居城であり、国の史跡に指定されている「和歌山城」、「万葉集」に詠まれ「天橋立」と肩を並べる景勝地として日本遺産にも認定された「和歌の浦」などが、主な観光名所だ。
ラーメンシーンに着目すれば、同市の最大の特徴は1990年代後半に巻き起こった、ご当地ラーメンブームの火付け役で、全国的な知名度を誇る「和歌山ラーメン」が存分に味わえることに尽きる。和歌山市内には、そんな和歌山ラーメンを提供する店舗がいたるところに存在し、個性豊かなラーメンカルチャーを築き上げている。
和歌山ラーメンの提供店舗の代表格といえば、「井出商店」と「本家アロチ丸髙」だ。
「井出商店」は、1998年10月から翌年5月にかけて「新横浜ラーメン博物館」へと出店し、1日平均約900杯もの売上を叩き出した伝説的名店。
「本家アロチ丸髙」は、「井出商店」の系統「井出系」と勢力を二分する「車庫前系」の雄。この両店が、比較的コンパクトな市街地のド真ん中に並び立っているのだから、壮観というほかない。
と、少々マニアックな書き出しとなったが、ここで、「井出系」と「車庫前系」について、簡単に解説する。
南海電鉄加太線の終着駅、加太駅。めでたい電車の「め」モニュメントの前にて。
ご当地麺「和歌山ラーメン」は、豚骨から採った出汁に醤油ダレを合わせた「豚骨醤油ラーメン」の一種。味の力点を豚骨に置いたものと、醤油に置いたものの2タイプが存在し、前者が「井出系」、後者が「車庫前系」と称される。
要点をザックリ述べると、「井出系」は、「井出商店」及び同店の味を模した店舗群、「車庫前系」は、かつて市内を走っていた路面電車の「車庫前駅」周辺で屋台を引いていた「丸高」及び同店の味を模した店舗群(屋号に「丸」を付す店が多い)が提供するラーメンの総称と考えていただいて、概ね問題ない。
現在の和歌山市には、そんな「井出系」、「車庫前系」に属する店舗が数多く存在。なかには、和歌山観光における「食」の定番となっている店もあるほどだ。
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