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大人の娯楽・ギャンブル。適度に楽しむ分には問題ないが、ハマりすぎると必要なお金まで使ってしまい、大切な家族や友人に迷惑をかけてしまうことも……。
もし、自分の家族や大切な人がギャンブル依存症になっていたら、「支援しない支援が大切」と専門家の田中さんは言う。
今回は家族のギャンブル依存症を疑う場合、どのように向き合えばいいのか聞いてみた。
聞いたのはこの人! 田中紀子さん●国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部 研究生。祖父、父、夫がギャンブル依存症者で自身もギャンブル依存症と買い物依存症から回復した経験を持つ。全国各地で家族相談会やギャンブル依存問題の普及啓発のための講演を行っている。2018年12月にはバチカン市国で開催された依存症問題の国際会議に出席し、我が国のギャンブル依存症対策等の現状について報告をした。 著書に「三代目ギャン妻(高文研)」「ギャンブル依存症(角川新書)」がある。
お金の問題が出てきたら、ギャンブル依存症のサイン
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ーーまず、家族がギャンブル依存症だと気付くサインはありますか? 今の時代、日頃の行動からギャンブルに依存しているか判断するのは難しいです。
かつて多かったパチンコ依存症なら、夜11時まで帰ってこない、帰宅後の服にタバコ臭が染み付いていることで気付けました。しかし現在は、スマホでギャンブルができるようになり、パチンコ店も禁煙に。そのため、普段の行動からギャンブルに依存していると気付きにくくなっているのです。
見分けるとしたら、お金の使い方。安定した収入があったり、十分なお小遣いを渡していたりするのに、いつも金欠な場合はギャンブルで消費している可能性があります。
ーー昨今はお金の使い方で気付くことが多いんですね。 お金を貸してほしいという話が出たら、詳しい事情を聞いてみることが大切です。そこでギャンブルに依存しているのでは? と感じたら、まずはご家族だけでも相談機関を訪ねてください。
ギャンブル依存症を一人で克服することは難しいため、周りのサポートが必要です。自助グループや家族会があるので、まずはご家族の方が参加し、依存症に関する知識を身につけましょう。
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