新連載「実録、空き家改造計画」●全国にある900万戸の空き家。それは外国人の目から見たらお宝でもあった! リノベも日本も大好きなモデル、アントンさんが古民家の魅力といかにして空き家を蘇らせているのかを探る。
地方に限らず、いたるところで見かける日本の空き家。その数は現在900万戸にものぼり社会問題にもなっている。
そんな日本の空き家を買い取り、自らの手で日本×北欧スタイルに甦らせる外国人が今注目されている。スウェーデン出身のファッションモデル、アントン・ウォールマンさんだ。
世界のトップメゾンやコレクションでも活躍していた彼だが、今や日本に住み、空き家をフルリノベーションするまでになった。そして現在も4軒目の空き家リノベを手がけている。アントンさんが日本の家に惹かれるワケとは?
【写真10点】「日本の空き家を購入したアントンさん」を写真でチェック 案内人はこの方! アントン・ウォールマン●1992年生まれ、ストックホルム出身。19歳の頃からファッションモデルとして世界をまたにかけて活躍。数回の来日を経て、2019年より日本に移住。日本の空き家を自らの手でリノベーション、セルフビルドした様子をYouTubeでも配信し、2023年、『FREE HOUSES IN JAPAN』を自費出版している。Instagram:@anton.injapan
世界を飛び回り、NYに憧れたトップモデル
はじめまして、アントン・ウォールマンです。現在、東京に住んでモデルの仕事をしながら、家のセルフDIYにも熱中するスウェーデン人です。
僕はスウェーデンの首都・ストックホルムで生まれ育ち、19歳でモデルとしてのキャリアをスタートさせました。スウェーデン国内はもちろん、パリ、ミラノ、ロンドンをはじめトップブランドの仕事であちこち飛び回ってました。
イタリアにはよく行きましたが、カルバン・クラインやダンヒル、アクネ ストゥディオズ、H&Mといったブランドのコレクションやプロモーションの仕事が多かったです。ヨーロッパは狭いので、当時はストックホルムに住みながら仕事のときに移動していました。
2013年から2年間はグッチのエクスクルーシヴ(専属)モデルとしてランウェイを歩いてました。モデルの仕事はとても刺激的だしクリエイティブな人たちからインスピレーションも受けてました。それが今のDIYに生かされてるところもありますね。
アメリカ、特にニューヨークにはずっと憧れがあったので、一度は住んでみたいと思ってました。結果的には2年間住みましたが、ニューヨークの街は魅力的だし楽しいけど住むのは大変。物価も高いし、仕事も暮らしもすっごいタフで、ずっと動いてないといけないような感じでした。
短期滞在時には男性モデル4人でネズミが動き回るアパートの部屋に寝泊まりしていたので、食べ物は齧られるし夜になるとガサガサと徘徊するしで寝るに寝られないこともありましたからね(笑)。ずっと憧れていた街だけど、将来的に住みたいとは感じなかったのが正直なところです。
2/3