俺のクルマと、アイツのクルマ男にとって車は名刺代わり。だから、いい車に乗っている人に男は憧れる。じゃあ“いい車”のいいって何だ? その実態を探るため「俺よりセンスいいよ、アイツ」という車好きを数珠つなぎに紹介してもらう企画。
【写真19点】「アメリカでも大人気の'77年製アーリーブロンコ」の詳細を写真でチェック ■45人目■
KENSHINさん(52歳)
KENSHIN●20代でNYに渡って以降、数々のファッションメディア、コレクション、広告撮影などで辣腕を振るってきた世界的ヘアスタイリスト。2018年には拠点を日本へ移し、サロン、ファクトリー、ラボを兼ね備えるEpo Essential Oil Factoryも運営。
フォード アーリーブロンコ
ブロンコが誕生したのは1966年。ジープのCJモデルやチェロキーに対抗すべく開発され、フレーム、サスペンション、ボディのほとんどをオリジナルで設計している。当時はホイールベース92インチという小型サイズがオフロードシーンで評判を呼び、1977年まで生産。こちらは1977年製の後期モデルになる。
アメリカ文化が見えるピックアップトラックの名作
NYを拠点に20年以上も“美”と“ファション”の世界で活躍してきたKENSHINさん。彼が2010年に手にしたのが、フォードのアーリーブロンコだ。
「NYではクラシックカーの保険料が安いですし、税金もかかりません。車を買おうというタイミングで、何気なく旧車を見ていたら徐々にハマっていって……。結局、クラシックカーをほぼ同時に3台も買ってしまいました(笑)。このブロンコはそのとき購入した一台です」。
長く拠点としていたアメリカではアーリーブロンコのようなピックアップトラックは特別な存在だという。
「アメリカでは人生最後に乗りたい車としてピックアップトラックを挙げる人が多いんですよ。いわば憧れの車です。
感覚としてはアメリカの開拓時代の馬車のようなイメージで、ロマンを感じるみたいなんですよね。アーリーブロンコはその中でも、特に人気の車種です」。
昨今は人気にいっそう拍車がかかっている模様。もともと、LAのiconという車店がカスタムしたアーリーブロンコが大バズりし、2013年頃からブームになった。
価格の高騰は青天井で、iconのカスタム車は3000万円近くまで値上がりしているという。
「NYでクラシックカーに乗っていると、通りがかりの人が興味を持っていろいろと聞いてくるんです。大抵、製造年を聞かれて『セブンティセブン('77年製だよ)』と答えると、『オーマイガー! 最高だね』ってリアクションされますね」。
アメリカをはじめ海外では比較的車を雑に乗る人も多いが、KENSHINさんによると、古い車を大切にする文化が想像以上に浸透していたという。
「ボロボロな車を修理しながら乗る、その精神もいいなと思いながら乗っていました」。
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