ロックで飲んでもウマい!湘南産の原料にこだわった旨味
企画担当の武田さん。
だが、ただ湘南産の日本酒を作ればいいというわけではない。
「湘南の海とサーフィンを愛する人のための日本酒でなければ……」。そんな思いから谷口さんはプロジェクトメンバーにスカウトすべく、社内をリサーチ。
茅ヶ崎出身の広報担当者、湘南でよく波乗りをするという人事部のサーファー、大磯在住のサーフィン好きのデザイナーなど、部署や年代の枠を超えて、「湘南好き、サーフィン好き、そして酒が好き」という共通項を持つ5人が開発メンバーとなったのだ。
「例えば人事は、普通は酒造りには関わりませんから、部署を超えて参加してもらうために、稟議など、色々大変なこともありました。それでもやっぱり熱量を持っている人と一緒に作りたいと思ったんです。
それに部署や年代も違う、いろいろな考えを持っている人が集まった方が、面白いものが作れるのではと思っていました」。
商品企画を担当した海老さん。
5人からは「海上がりに飲みたい」「海でバーベキューをするときに飲みたい」「魚介に合わせて飲みたい」、そして「湘南の酒をお土産として持って帰ってもらいたい」などの意見が出たという。
「少し内陸ですが、熊澤酒造さんは海からも近いので、まずは海風を感じるようなミネラル感がある味を目指しました。また、日本酒は甘いと思われがちですが、海上がりにもおいしく飲んでもらえるよう、甘さを抑えて、すっきりとした味わいにしています。
海から上がったらビールという人も多いと思いますが、より複雑な旨味を持つ日本酒を取り入れてもらえれば、波乗り後の楽しみの幅が広がるはずです」。
創業152年を誇る老舗の熊澤酒造
旨味がありながらも、すっきりとキレの良い後味は、海上がりの開放的な気分にぴったり。
「まだまだ暑い今の季節は、氷を入れて、ロックで飲むのもおすすめです。中硬水で仕込んだ『おふしょあ』は、スッキリとした味わいながら、骨格がしっかりとしているので、氷が溶けて薄まっても、味のバランスが崩れにくく、最後までおいしく飲むことができます」。
中硬水の水に始まり、すべての原料が湘南産というのも「おふしょあ」のこだわりだ。
水は蔵の井戸から汲み上げられた、丹沢山系の伏流水。酵母は熊澤酒造の敷地内に残る旧防空壕から採取した、湘南育ちの酵母BK-5を使用。
熊澤酒造の自社水田で育てられた酒米・五百万石は、アミノ酸が多く、深い味わいが特徴だ。
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