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ぼられるだけなら「まだマシ」最悪のケースは……

正直、当時から歌舞伎町のバーは「ほとんどがぼったくり」というイメージだった。数十万円盗られるのは痛いが、それでも「まだマシ」な方なのだ。

最悪のぼったくりバーは、飲み物に薬を混ぜてくる。混ぜられる薬は睡眠薬など、気を失う薬が多い。

ちなみに飲み会などで、グラスに薬を入れられるのはよくある行為だ。多くは女性に対して暴行を働くために入れる。女性は、なるべく瓶の飲み物を頼む、飲み物を残して席を立たない、など行動には大いに気を付けたほうが良い。



ただ昏睡ぼったくり店の場合、店から出てくる飲み物にすでに薬が混ぜられているから避けるのは難しい。

気付かず飲んで意識を失う、ぐにゃぐにゃな状態にさせておいて、目が覚めた時に「意識を失う前に飲んだ」として高額な金銭を要求される。

しかし、さらにひどいケースがある。クレジットカードを財布から抜き出して、スキミング(情報を不正に入手して、偽造カードを作って不正利用する)してしまう。ここまで来るとぼったくりを超えて、立派な強盗だ。

それでもまだ、目が覚めたあと、無事に帰らせてもらえればギリギリ「まだ、マシ」。かつては用済みになった人をそのまま、店の外に放り出すお店がよくあった。冬場に放り出された人は凍死してしまう。歌舞伎町の路地裏に死体が転がっていることはよくあった。



金を盗られるのもつらいが、命を盗られてしまうのは最悪だ。実際に、痛ましい殺人事件が起きたため、取り締まりは厳しくなり最近では聞かなくなった……はずなのだが。

先日、歌舞伎町の裏社会に詳しい人と酒を飲んだ。

「いや、今も全然ありますよ。〇〇人がやってる店は筋弛緩剤を飲ませてぐにゃぐにゃになったところで身ぐるみを剥いじゃう。眠剤飲ませる××人がやってる店もまだまだあるし。歌舞伎町は相変わらず危ない街ですよ」とのことだった。世間の人が言う「今は安全になった」というのは、意外とあてにならないものだ。


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