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いなたいルックで「ちゃんと走る」のが、この時代のクルマのよさ

相当にレアな車種であるため、周りのファッション業界人からも「見たことない」と好評で、もちろん誰ともカブらない。



「納車後の1年間で2万kmほど乗りましたが、今のところ特にトラブルはありません。仕事では使わず、主に休日の足として。完全に趣味、ファッションの一部のようなものですよね」。

ベンツの走りを目指していたハイエンドな乗用車のため、乗り心地もとてもいい。



「きっとサスペンションがいいんですよね。走行状態に応じた衝撃吸収コントロールをしてくれる電子制御が導入されているので、遠出するにもストレスがありません。これで夏フェスに乗り付けたこともあります。車高の高いSUVやアウトドアカーが主流のなか、よくも悪くも目立っていました」。



外観だけでなく、インテリアも大のお気に入り。内装のワインレッド系ファブリックや樹脂パーツの仕上げが、この時代ならではの“いなたさ”を感じさせてくれる。ヤングタイマーにしか醸せないニューレトロ感が琴線に触れ、愛着が湧くのだ。

「カーステレオのプレーヤーがカセットテープなんですけど、よくあるテープを横に寝かせてインするタイプではなく、タテに正立して再生できるタイプ。カーステレオ用のカセットデッキとしては非常に珍しい、贅沢な作りだと聞いています」。



宮崎さんは最新のオーディオに入れ替えず、むしろ車内で聴くために新しくカセットテープを集め、このスタイルを満喫している。それが新しい音楽との出合いも生んでいる。

とくにカスタムすることなく乗るのが宮崎さんのスタイル。ちょっと古いクルマだからこそ、素のままが一番魅力的なのだ。



佐藤ゆたか=写真 礒村真介(100miler)=取材・文

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