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紙芝居のような独特なタッチの映像

ゲームを開始すると現れるのは、往年のゲームボーイを彷彿させる緑がかったモノトーンの画面。大海原の向こう側へ沈もうとしている夕日の下に、一隻の帆船の影が浮かんでいます。静かな波の音が聞こえたかと思うと、切り裂くようなバイオリンの音色とともに、重々しく不穏な音楽が鳴り響きます。

舞台は19世紀初頭、出発時には多くの船員が乗っていたはずの商船・オブラ・ディン号が無人で帰港したため、その調査をすることになった保険調査官が今作の主人公となります。



4年もの間航海を続けていたオブラ・ディン号に何が起こったのかを探るべく、沖合に浮かぶその船に小舟で移動する主人公。

「社の人間にたたき起こされたぜ。あんたをオブラ・ディン号に渡せとな」。

粗野な言葉が聞こえたかと思うと、画面の中央に字幕が表示されます。この会話のやり取りで、そう語りかけてきた男が渡し舟の船頭であることと、調査員が女性であることが分かります。



昨今のゲームは、登場人物が実際に口を動かして会話をし、その表情までも変化するというのが主流ですが、このゲームは自分以外がまるで時間が止まっているかのように静止しており、誰が誰に話しているのかは分かりません。紙芝居を見ているようなもので、見ているこちら側が、口調や台詞から推測する必要があるのです。

ひょっとするとこのゲームは一筋縄ではいかないかもしれない……。

そんな予感がしました。


3/4

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