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2024.08.26

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醤油、塩、とんこつetc.「ラーメン×カクテル」異色なのにウマいペアリングをバーテンダーが提案



ラーメン好きを公言している人も多いだろう。だが、ラーメンに合わせる酒にこだわっている人はどれぐらいいるだろうか。

そんなラーメン好きに酒との新しい組み合わせを楽しんでほしいと、ウェルネススピリッツ「レイシジン(霊芝ジン)を展開するリユニオンが、7月11日のラーメンの日にイベント「らぁめんバー ウィズリユニオン」を開催した。

ラーメンとレイシジンの食中酒カクテルのマリアージュをテーマにした今回のイベントは、3者によるコラボレートで行われた。



オープンから1年でミシュランガイド東京2024 ビブグルマンに選出された荻窪の人気ラーメン店「ゼアー イズ ラーメン」。

国内外で活躍するバーテンダーの野村空人がアートとカクテルの新たな融合をテーマに、世田谷区・代田にオープンしたバー「クオーター ルーム」。

そして漢方の最上薬「霊芝」のほのかな苦味とコク、山椒のスパイシーな味わいが特徴のクラフトジン「レイシジン」を展開するリユニオン。

異色のコラボレーションが実現したイベントの内容とともに、今回はオーナーバーテンダーの野村さんに、ラーメンとカクテルの合わせ方についても話を聞いた。



「ゼアー イズ ラーメン」のチャーシュー麺は、肉の旨みと煮干しの香りが利いた薄口醤油のスープと中細麺、そして丼いっぱいにトッピングされたトロトロのチャーシューが特徴。

「カクテルはレイシジンのベースとなる芋焼酎と霊芝の旨みと、ラーメンの旨みをいかに掛け合わせるかというのがテーマでした」。



ラーメンに合わせる酒と聞いてまず思い浮かぶのが、ビールやハイボールなど、すっきりとした炭酸系の酒だろう。だが、野村さんは「それだとお腹がすぐに膨れてしまうんです」と話す。

「僕らも最初、水割りと炭酸割りで試してみたのですが、炭酸を飲むと途中でお腹が膨れてしまって、ラーメンがスルスルと入っていかない。むしろ水割りの方が、最後までラーメンをおいしく食べられたんですね」。

そこで野村さんは今回、デトックスウォーターを使ったジンスリングを提案。



水にグレープフルーツやタイムを入れて、風味を移したデトックスウォーターでレイシジンを割り、そこにアプリコットリキュールを少し足して甘さをプラスした。

このカクテルを単体で飲むと「ラーメンの旨みに負けてしまうのでは?」と心配になる淡い味わいなのだが、ラーメンと食べるとこれが一変。グレープフルーツの苦味が際立ち、ラーメンの油をすっきりと流してくれて、最後までおいしくラーメンを味わうことができた。

「今回はデトックスウォーターを使いましたが、レイシジンは旨みがしっかりとしているので、普通の水割りでもおいしいと思います。また焼酎には前割りという文化もあります。焼酎と水を混ぜ合わせたあと、一晩から数日寝かせておくと、焼酎と水が馴染んでおいしくなるというものです。レイシジンも芋焼酎ベースなので、前割りにして飲むのもおすすめです」。



またデトックスウォーターは自宅でも簡単に作れるので、色々な果実やハーブを入れて、いつもと違う水割りを楽しむのも面白いはずだ。

イベントでは、アペリティフのセットも登場。食欲を増進させるために飲む食前酒のアペリティフ。今回は胃腸を刺激するピリ辛のつまみに合わせて、バジルやあまおう、レモンを加えたレイシジンの炭酸割りを提供。



「山椒のフレーバーを感じるレイシジンは、バジルの青みやレモンの酸味とも相性が良い。つまみの辛さを、カクテルの甘味や青さでやわらげるようなイメージです」。



さて、ラーメンのスープは魚介系だけではない。では他のラーメンにはどんなカクテルが合うのか。野村さんに脳内イメージしてもらった。

まずは味噌ラーメン。

「味噌バターラーメンがあったり、クリームスープに味噌を入れてコクを出すように、料理でも味噌と乳製品を合わせることが多いですよね。なので、牛乳や豆乳などを使ったカクテルが合うと思います。意外なところではパイナップルのカクテル。実は白味噌とパイナップルを使ったカクテルもあるんです。なので、パイナップルのカクテルも合うと思いますよ」。

続いて塩ラーメン。

「こちらは柑橘系のカクテルがおすすめです。ゆず塩ラーメンもあることですし、特にゆずを使ったカクテルはぴったりだと思います」



醤油ラーメンに合わせたいのはトマト。

「逆のパターンで、トマトのカクテルに旨みをプラスするために、隠し味に醤油を使うことがあるんですね。それぐらいトマトと醤油は親和性が高い。ガスパチョをスープではなくドリンクにしてみるのも面白いと思いますし、レイシジンのトマトジュース割りも合うと思います」。

最後にコッテリとした豚骨系ラーメン。

「これはアイラ系のピートウィスキーを使ったカクテルが合うと思います。臭いものに臭いものをぶつけるというイメージです」。

お馴染みのラーメンも、カクテルを合わせることでガラリと印象が変わることがわかったレイシジンのイベントは、野村さんも「僕も今までラーメンとカクテルを合わせるなんて考えたことがなかったので、とてもお面白い体験でした」と話す。

プロのアドバイスを参考に、自分だけのラーメンとカクテルの新たなマリアージュを見つけてみてはいかがだろう。

林田順子=取材・文

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