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多くの大人は、「飲酒」を毎日の習慣としているに違いない。中には、健康診断の結果を受け、「これではいけない……」と思いつつ、変わらず飲み続けている人もいるはず。その気持ち、わかります。
ここでお聞きしたいのだが、「操酒®」(そうしゅ)という言葉をご存知だろうか? その提案者で、酒ジャーナリストの葉石かおりさんは、自らも大酒飲みだったが、操酒によって太りにくく健康的な身体を手に入れたそうだ。
そうと聞いてはスルーできない。教えて、葉石さん!
聞いたのはこの人! 葉石かおりさん●酒ジャーナリスト、エッセイスト。「酒と心身の健康」「酒と料理のペアリング」を軸に、様々なメディアでの執筆やコメント、講演会等で活躍中。著書に、『酒好き医師が教える最高の飲み方』(日経BP)、『生涯お酒を楽しむ『操酒』のすすめ』(主婦と生活社)など。2024年、2つ目の大学を卒業。飲酒との関わりも深い心理学を学ぶ。
1日でも長くお酒を飲みたいからこそ「操酒」
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――葉石さんご自身、かつては大酒飲みだったとのこと……。美しくスリムな姿からは全く想像できないのですが、具体的にどのくらい飲まれていたんでしょうか? 私が「操酒」に至る以前は、40代くらいまでずっと毎晩しこたま飲むのが当たり前の生活を続けていました。
日本酒なら一升瓶がすぐに空になってしまうし、ワインも一人1本どころではなかったです。家には5リットルの業務用ウイスキーをはじめ、焼酎や日本酒などあらゆるお酒がストックされ、冷蔵庫の中は野菜室までお酒で占領されている状態でした。
――それが現在は「操酒」という考え方を提唱されています。改めて「操酒」の定義を教えてください。 「操酒」を一言でいえば、自らの意志で酒量をセルフコントロールすること。生涯にわたって長く健康的にお酒を楽しむために、自分の飲酒量や習慣を客観視して、お酒との付き合い方にメリハリをつけるというメソッドです。
人が一生のうちに飲める酒量は決まっているといわれていますが、せっかくお酒が好きで飲んでいても、酒量や頻度が増えすぎて体を壊したり、依存症になったりしてしまっては、これから先の長い人生で大好きなお酒と縁を切らなければいけなくなってしまう。こんなに残念なことはありません。
操酒という考え方のベースには、人生最後の日まで、元気に美味しくお酒を楽しめる自分でありたいという思いがあるんです。
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