紹介してくれたのは…… 阿部 功さん●日本ゴア合同会社のファブリクス・ディビジョンのマーケティングを担当。エンドユーザーだけでなくブランドやバイヤーたちへもゴアテックス ファブリクスの“イロハ”を伝えるプロフェッショナル。
シーンによって使い分けたいゴアテックス プロダクト
――「ゴアテックス○○」と記載のあるタグを見かけますが、通常のゴアテックスとはどう違うのでしょうか? 阿部 基本的な技術は同じですが、それぞれ細かい部分が違うのです。ゴアテックス プロダクトとひとえにいっても、それぞれのシーンに特化した物作りをしており、各々違ったテクノロジーを搭載しています。
ゴアテックス プロダクトは3つのカテゴリーに分類でき、計7種類のテクノロジーがあります。アイテムの用途によって使い分けていて、いちばん使われることが多いのが、“ジェネラルアウトドア”というカテゴリー。キャンプをはじめとするライトアウトドア全般に対応するウェアはもちろん、タウンユースのウェアもこのカテゴリーに属します。
【ゴアテックス プロダクト 一覧表】
【ジェネラルアウトドア】 ・ゴアテックス(GORE-TEX) プロダクト:最もベーシックなもの。軽いハイキングやスキー、キャンプなどでも十分使用可能。
・ゴアテックス パックライト(GORE-TEX PACLITE) プロダクト:パックライトの名のとおり、軽量で収納性にすぐれた素材。ランニングやサイクリングなどにおすすめ。
・ウィンドストッパー(WINDSTOPPER) プロダクト by GORE-TEX LABS:防風性と透湿性があり多用途に使える。
【アクティブ】 ・ゴアテックス アクティブ(GORE-TEX ACTIVE) プロダクト:他のゴアテックス プロダクトに比べ、より優れた透湿性を持つ。特にトレイルランニングやクロスカントリーなどにぴったり。
【エクストリーム&エクステンデッド】 ・ゴアテックス プロ(GORE-TEX PRO) プロダクト:極限の条件や過酷な条件下でのアクティビティ向けに設計された、極めて丈夫で、耐久防水性、高い防風性、透湿性を持つプロダクト。
・ゴアテックス パフォーマンス(GORE-TEX Performance) プロダクト:持続する透湿性と確かな保護力が最大の特徴。長時間にわたる雨のシーンにうってつけ。
・ゴアテックス パックライト プラス(GORE-TEX PACLITE PLUS):裏面の特殊加工により、湿った肌の上でも滑りが良く、ゴアテックス パックライトより快適性をさらに高めたもの。
阿部 ふたつ目に多いのは、トレイルランニングやマラソンなど運動量の多いシーンに適したアクティブというカテゴリー。軽量化のために非常に薄いメンブレンを使用し、かつ裏地も透湿性が高いものを組み合わせています。また透湿性に特化したテクノロジーを優先して用い、運動中の汗を十分放出できるようにしています。
3つ目のエクストリーム&エクステンデッドは、アイスクライミングや、数千m級の登山など、過酷な環境にスポットを当てたカテゴリーです。ゴアテックス プロ、ゴアテックス パフォーマンス、ゴアテックス パックライト プラスというテクノロジーがこれに属します。
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