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2025.04.14

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「ENM」は何の略? 複数パートナーはアリ? 欧米社会にじわり浸透する「非」一夫一婦制

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当記事は「Forbes JAPAN」の提供記事です。元記事はこちら。 

高以良潤子氏は、シンガポールでの通信社記者経験、世界のビジネスリーダーへの取材実績を持ち、アマゾンをはじめ外資系企業でインストラクショナルデザイナー、プログラムマネジャーとして活躍してきたグローバル人材だ。

氏は、国内外で多くの外国人と長く関わるなかで、商習慣にとどまらず、男女の「つきあい方」にも大きな文化的差異があることを学んできた。たとえば、「モノガミー」、「ポリガミー」、「ポリアモリー」など、日本では聞き慣れない「パートナー関係の諸属性」が存在するのだ。

そして、最近とみに、その差異の幅が広がりつつあり、新たな関係属性も登場してきたと感じるという。氏による寄稿を以下、紹介する。
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「付き合ってください!」は純ジャパか一部アジアの専売特許?

「付き合ってください!」という言葉や、「告白文化」は、日本的な、もしくは東アジアの一部の国の恋愛の始め方だということは、日本人以外の外国人と付き合ったり恋愛したりしたことがある人にとっては馴染みがあることかもしれない。いうまでもなく、恋愛や結婚についての風習や考え方はそれぞれの文化と深く関わっているので、国ごと、地域ごと、文化ごとにたいへん異なる。

概して欧米では、告白文化の代わりに、「デーティング」というコンセプトが存在する。これは日本の結婚相談所で婚活をする場合に、複数の相手と「仮交際」をするという進め方と少し似ている。

恋愛感情がある相手と継続的にデートをしていて、お互いに「エクスクルーシブ(お互いがお互いのオンリーワンという意味)」であることを確認するまでは、複数の人と関係を進めても(肉体関係を含んでもよい)問題がないという期間と捉えられている。

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そして、「エクスクルーシブ」になると、お互いのことを彼氏彼女―——ボーイフレンド、ガールフレンドー——と認める、という段階になる。友達や家族に紹介するのもこの段階になってからが一般的だ。日本の恋愛関係的にいうと、ふわっとデートを重ねていて、関係も持っているけど、「私たち、いったい付き合ってるの?」と、彼氏彼女であることを認めるに至っていない段階に類似するが、デーティングの場合、一人に限らず複数とそれが進行するという点が異なる。

そして昨今、欧米人もしくは欧米文化に基づいて恋愛をする人(例えばアジア人種であっても、北米に住んでいる韓国系アメリカ人、香港系カナダ人、など)の間でよく聞かれるのが「ENM」「オープンリレーションシップ」だ。コロナの前まではモノガミー、ポリガミー、ポリアモリーという言葉の方がよく使われていたように思うが、ここ数年ENMというコンセプトを目にすることが増えた。
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